日常

NHK SONGSスペシャル「宇多田ヒカル」

2016-09-24 12:52:37 | 音楽
(写真は「ぴあMUSIC COMPLEX Vol.6」(2016/9/27)


NHKのSONGSスペシャル「宇多田ヒカル  ~人間・宇多田ヒカル 今「母」を歌う~」
すごかった。。。
NHK SONGSスペシャル  宇多田ヒカル  ~人間・宇多田ヒカル 今「母」を歌う~(2016年9月22日)


宇多田さん、お母さんのいのちとひとつになっていた。光のように重なり合っていた。仕草や口の形や吐息や呼吸、すべてに母のいのちが浸透していた。
歌詞もかなり霊的な気がした。霊と肉が受胎したというべきか。

宇多田さんのコメントや歌詞が、今月号のYogini(Vol54 2016/9/20)に書いた内容とシンクロしていて驚いた。
自分という個々のいのちの営みがはじまったときのこと。いのちのはじまりのこと。その無意識の暗在系の闇と光のこと。原点、源、泉、ソース、ルーツ、根のこと。
「生まれる」「生きる」という体験のこと。


「道」という曲は本当に素晴らしかった。
あまりに神がかった曲で、宇多田さんが天と地の媒体となった佇まいの美しさに、菩薩のようで、聖なるものを目撃しているようで、思わず泣けた。

数日経っても、自分の肉体の中で「道」のメロディーがいまだに反響し、鳴り続けています。



宇多田ヒカル 「Fantôme」(2016-09-07)
宇多田ヒカルさん(2016-06-18)


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植物原理のすすめ(2016-06-23)より

木という存在。
中心に幹という固い部分がある。芯材と呼ばれるもの。

木そのものを支えている中心の芯は、生きている植物細胞ではなく、死んだ植物細胞だ。
死んだ植物細胞は骨格だけが残る。その骨格が木の中心に残っていて、木を支えている。
その周囲を生きている植物細胞が分裂増殖しながら、死と生の二重の構造で、木は生きている。

こうした木の在り方は、人間社会でも同じだろう。
文化は、中心を死者が支えている。

その中心を覆い囲むむようにして、生きているひとたちが社会を受け継いでいる。
生きているものもいづれ死者となり、生者を芯から支えることに参加する。
見えないところで、人類社会の芯として静かに支える。

木が体現しているこうした生き方のメタファーから、人類も学ぶことは多いだろう。
そういう意味でも、中心には植物原理が大事なのだと思う。
それは、軸となり、芯となる。
天と地を結ぶ。
種は光と水と土の適切な条件がそろえば、地火風水と共に芽吹き、根が生え、実をならし、花開き、散っていく。




BRYAN NASH GILL「WOODCUT」Princeton Architectural Press (2012/5/2))



扶桑の樹 
杉浦康平「生命の樹・花宇宙 (万物照応劇場) 」日本放送出版協会 (2000年)より

2 コメント

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 (みみ)
2016-09-29 13:13:17
「道」
いいですね。
私も好きです。

彼女の中の母親のいのちが
引き継がれているのが
はっきりと見えました。

藤圭子さんという母親からの
遺伝子が魂となり
彼女の中で同一化しているのが
痛いほど伝わってきました。

私はリアルタイムの藤圭子という歌手を
見て知って記憶しています。大好きな歌手でした。
黒髪で切りそろえた前髪までうりふたつで
驚きます。

そして
目も大きく黒目もはっきりな彼女。
まるで黒く縁どられた
エジプトの横顔の女性の目。

見つめられると
魂を見透かされるような気持になり
ドキッとするでしょう。

「道」の歌の中に
私も
彼女と母とが確かめ合うような
息、呼吸を感じました。
心臓の鼓動も感じました。
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Unknown (INA)
2016-11-15 13:08:26
>みみさん
はい。同じ印象を多くの人が受けたと思います。
何か神聖なものを目撃しているような不思議な光景でした。あの瞬間、あの時間でしか出てこない宇多田さんの存在感ですね。ああいうことは誰の中にも起きているんだろうと思うと、人類がここまでつながってきたその凄さにも、改めて感動します。
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