日常

「アンサンブルズ東京2016」

2016-09-05 13:08:27 | 音楽
大友良英さんが総合ディレクションされているので、東京駅にアンサンブルズ東京を見に行く。
東京駅と皇居をつなぐ広い野外空間で、お客さんを交えながら参加型の音楽祭。
東京駅前の広い路上にみんなで作った大風呂敷を広げて、床に寝っ転がりながら見れる。東京駅前の路上で、寝ながら、星を見ながら、音楽を聞けるなんて最高の時間だった。

大友良英さん以外にも、いしいしんじさん、原田郁子さん、フレッド・フリスさん、トクマルシューゴさん、芳垣安洋とOrquesta Nudge! Nudge!さんなどなど。豪華な布陣。
福島からプロジェクトFUKUSHIMA!の方々も来られていた。

最後のトリは、原田郁子さんといしいしんじさんと、一般のみんな。「東京駅のうた」(アドリブ?)の大合唱。
その場その場の即興で声を出しながら、音をつけながら、今の気持ちを入れ込みながら、声を自然に音楽へと変換させていく。粒子がいつのまにか波動になっているような。
音楽を特殊なものではなく、日常の中に響かせるものとしての音楽。日々を活き活きと生きるための活力源としての音楽。子供の感性でとらえる自由な音楽。音楽は自由を感じるためにやるものだ。不自由なのはそもそも音が楽しくないし・・。


大友さんも世界中を飛び回ってお忙しいのに、こうした参加型音楽プロジェクトもまとめあげるなんてすごすぎる!(以前お話した時は、3.11を契機にこういう活動を始めたとのこと。ここは自分も同じ思いがあるので、深く共感!)。
みんなの大友さんなので、お身体が心配!と思うほど、素晴らしい活躍で感動しました。場の一体感がすごかった!

最後に大友さんにご挨拶もできて運がいいー。嬉しい。
世田谷パブリックシアターでのMANSAI解体新書以来の再会。

帰りながら。自分もルンルン気分で「とぉーきょぉーえきぃー♪」と歌いながら帰りました。









アンサンブルズ東京
「東京駅前に出現する新しい参加型音楽祭典」


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場所は東京駅前、みんなで作る音楽フェス。

アンサンブルズ東京は、ミュージシャンの演奏を見に来る通常の音楽祭とは違い、みんなで作るフェスです。イベント当日は、ワークショップに参加した一般の人とミュージシャンが一緒にステージに立ちます。

初めて本格的なワークショップをする原田郁子さんやトクマルシューゴさん、継続的に実施している芳垣安洋さんのOrquesta Nudge! Nudge!。そして今回は、海外からフレッド・フリスさんが来日してワークショップを行います。これには私も参加します。

上手い人がみんなを引っ張っていくのではなくプロとアマが一緒に演奏する形を探っていければと考えています。プロとかアマ、見ている人と演奏する人の垣根を取っ払っていくことをより積極的にやろうと思います。ここで、いろいろな音楽が交わっていけば良いなと考えています。

それは会場をつくることも同じで、用意された会場でフェスをするのではなく、みんなでプロジェクトFUKUSHIMA!と一緒に風呂敷を敷いて、自分たちの手で作っていくフェスにできればと思っています。

場所は東京駅前です。音楽の形を、演奏だけでなく場所からも変えていければ良いなと思います。ここで生まれた音楽が世界に旅立っていければ最高です。ハードルは極限まで下げて、クオリティーは高いものを目指しています。見に来るだけでなく、ぜひみなさん参加して下さい。

アンサンブルズ東京・芸術監督 大友良英

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大友良英さんがディレクターをされる『札幌国際芸術祭2017』も行きたい!


『札幌国際芸術祭2017』(SIAFサイアフ2017)
2017年8月6日(日)~ 10月1日(日)【57日間】


札幌国際芸術祭2017 テーマ
芸術祭ってなんだ?

2回目になる札幌国際芸術祭のテーマは「芸術祭ってなんだ?」です。

今回ゲストディレクターへの就任依頼が来たときに、わたしがまず最初にひっかかり、そして今も考え続けているのが「芸術祭」ってなんなのかということです。「芸術」ってなんなんでしょう。それが「祭り」になるってどういうことなんでしょう。

震災後、わたしが取り組んできた活動の中でも、とりわけ大きな比重を占めてきたのが、これまでにない新しい「祭り」の創出でした。ここでいう「祭り」とは単に歌ったり踊ったりの場を作ることではなく、いや、それももちろん重要ですが、なにより、参加する前と後とで世界の見え方が一変するくらいの、そんな強烈な場を自分たちの手で作り出すことが、わたしの考える「祭り」です。今回はここに「芸術」や「国際」、そして「札幌」が加わります。さて、どうしていったらいいものか。

そんなことを考えれば考えるほど、これらの問いに対して自分一人で考えて、答えを出すのはもったいないと思うようになりました。市民参加の芸術祭ですから、市民の数だけ答えがあるはずで、こうした問いに対して、正解がひとつである必要なんてないと思います。正解とか、正論を探すのではなく、実際に手を動かし、誰かと何かを作るところから見えてくる何か、感じる何かであったほうがいい、わたしはそう考えています。100人いたら100通りの発想があり、それらが同じ方向を向かなくたっていい。むしろ向かないことで、ときに相互に反応しあいながらノイズが生まれたり、予想もできないとんでもないモノが生まれたり。そして、それを「豊かさ」として受け入れていく大きな度量の芸術祭でなければ、世界の見え方なんて変えられるはずがありません。

でっかい北の大地を舞台にした始まったばかりの芸術祭です。札幌や北海道の人たちがこれまでつくってきたものや、前回の芸術祭の残してくれたものを生かしつつ、耳をすまし、目をこらし、体で感じつつ、おおらかに、ときにやんちゃに、ここでしかできない「芸術祭」をみなでつくっていきませんか。やれ美術ではこうだ、音楽ではこうだなんてことは二の次にして「札幌ではこうだ!」と言えるような新しい「芸術祭」を目指してみませんか。ここで出会ったみなさんとならそれができそうな、そんな素敵な予感がしています。

札幌国際芸術祭2017 ゲストディレクター
大友 良英