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日常

那須岳

2012-05-08 01:54:49 | 生活
那須岳に登ってきました。
最高だった!



写真の一部、ココをクリック



那須岳は「茶臼岳、朝日岳、三本槍岳」の総称です。

レンタカーを借りると駅からのアクセスもよい。那須塩原駅から那須ロープウェイの登山口まで40分くらい。



GWの最終日の那須岳登山は、最高に楽しかった!
登山のメンバーが最高に楽しかった。そこが楽しさの99%を占めてたようにも思う。
それに加えて場所の力(那須の場所が持つ力はすごいもんだ)が楽しさを倍にして倍にして倍にさせてました。







那須ロープウェイの放送アナウンスがあった。
霧の中から聞こえてくる女性の声。
「ロープウェイは待ちません・・・」
「霧が強くなると道に迷います・・・」
という声が、まるで天の声のようで。幻聴のようで。

きっと、臨死体験のときは、ああいう声が聞こえてくるんだと思います。





那須岳は火山なので岩が面白かった。
いろんな色があり、いろんな形があり。

宇宙旅行でよくわからん惑星に不時着したような雰囲気。
イカの形をした宇宙人が「ワーレワーレワー、ウチュージンダー」と出てきたら、指と指を合わせてETごっこをしようかな、と妄想しました。


毒ガス(硫黄ガス)がムンムンの空間なもので、植物もあまり生えてません。荒涼とした空間。
でも、そんな中でも時には岩の割れ目から植物ががんばって生えている。
そのけなげな姿を見て、生命の力の強さに驚愕するのです。





食事。
山で食べる食事は最高にうまい。
というか、これを越える食事は、自分には存在しない。

テレビでいろんなグルメ番組をやっています。
値段が数万円するの、予約数カ月待ち・・いろんなのをやっています。
タレントにご飯食べさせて番組になるなんて、テレビも楽な仕事になったものです。(少しチクリ)


でも、そんなことよりも、山に苦労して登り、ヒーヒー言って食材を自力で上げ、自分で愛情を込めて料理をして、山で食べる食事は最高にうまい。
ミシェランの星を4つくらい欲しい。ただ、誰に言えばいいのかよく分かりません。

これ以上にうまい食事はない!とよく思います。
きっと、そのときは自分の魂が昇天しているような感じ。
そのとき肉体は抜魂状態で一時的な抜け殻ですので、勝手に入らないようにしてくださいね(「海辺のカフカ」のナカタさんより)。



山で食事を食べて昇天するたびに、自分はなんと幸せ者なんだろう、と、思います。
ありがたや、ありがたや。
ごはんの一粒一粒にカミサマが宿っているから、残さず食べなさいと、自分の祖父母も母親もよく言ってました。(いい教育を受けてたもんだ)




那須岳はすごい強風でした。

そこは「風の通り道」。
日本海から太平洋へと、地球規模で風がブーンと移動しているのがよく分かりました。


登山の当初から霧が立ち込め、テオ・アンゲロプロス監督の「霧の中の風景」を妄想してましたが、そういう妄想しながら登山をしてると天気は明らかに悪くなってきて、雨粒がポツポツからザーザーとなり、ギャーギャーとまで降ってきました。
朝日岳近くでは風速20メートルくらいの風。こままでは自分も千の風になってしまいそうです。


ソソクサと避難小屋に戻り、現実逃避してみんなでラーメンを食しました。
コーンポタージュスープと共に、あたたかい食べ物ってこんなにうまいもんかと。生きててよかった、と。

山に行くと、感度と感受性が上がりますね。カミサマがつむじあたりから上向きに感度のつまみをひっぱってるのでしょうか。
逆にいえば、いかに日常生活で感度を下げて生活しているか、ということでしょう。


ラーメンの小池さん(By.忍者はっとりくん)のようにラーメンをすすっているときは、つよいつよい雷がなり続けてましたが、気にしない気にしない。一休み、一休み。(By.一休さん)の精神でラーメンを食べ終わり、そろそろ行こうかな、と思うと同時に、雷も強風もやみました。
絶妙なタイミング。すごいアレンジを感じました。


雷は、「神鳴り」とも言うようで。
天空にいる「カミ」のエネルギーが、宇宙から地球を串刺しにしているようにも思える。


那須岳のようなすごい場の力を持つ山の中で、風や雷を見ていると、「カミ」が移動しているように感じたものです。






そそくさと下山して那須温泉神社に寄りました。

芭蕉も訪れた古社。
君が代で歌われている「さざれ石」もあった。
霊気漂い、すごい場の力を感じた。
聖地っていうのは縄文の時代からずっと聖地であり続けてるもんだから、そんな数千万年の時間の厚みをも感じる。



その隣にあった「史跡 殺生石(九尾の狐)」もすごい。
一心不乱にお祈りする数百体のお地蔵さんもいる。

まるでそこは異次元。
そこから眼下に見える街並みも、世界や天空の裂け目のように見えるような感じ。
こちらが裂け目を見ているのか、こちらが裂け目にいるのか、その相対性にクラクラとめまいがします。


松尾芭蕉も「奥の細道」の中でこの場所を詠んでいるとのこと。
『石の香や 夏草あかく 露あつし』

芭蕉と同じ風景を見ているかと思うと、嬉しいものです。





その後、「鹿の湯」に入る。

ここもすごい湯治場だった。
魂は江戸時代へとタイムスリップ。
石鹸などそんなのは邪道だ、と言わんばかり。黙々と湯につかるのです。


ふろ場でのおじさんとの会話。
「ここのお湯で、風呂に入る前に20回くらいかけ湯をすると、反対側にある遠くの時計の文字盤がはっきり見えるようになるんだよ。不思議だよね。まあ、ふろから出ると視力はまたもとに戻ってるだろうけど。」と言ってました。


不思議なもんです。
この世には現代医学では解明できない謎ばかりです。人間、謙虚にならざるをえません。


Nくんと風呂場で話に熱中。浴槽にインしたりアウトしたり45分くらい繰り返し続け、変性意識状態になりました。


一日たった今でも、自分の身体をクンクンすると硫黄の芳香が漂うのです。まるで硫黄人間。
その硫黄人間になった芳香は、なんとも心地よいもので。


「やわらかい」お湯は、体にまとわりつきました。
自分の肉体の層をアストラル体のようにもう一層コーティングしてくれたような気がします。

鹿の湯から出ると、全身に生命エネルギーがみなぎるのを感じました。
ドラクエで言うところの、「HP(ヒットポイント))回復」といったところです。





それは、まるで人体の細胞ひとつひとつを「ねむり」から「覚醒」にいざなうような実感を伴うものでして。


「ねえねえ細胞さん。そろそろ起きて下さいな。いつもあなたのような細胞を気にかけずにすみません。普段は脳細胞とか手の指の細胞ばかりを酷使していました。全身や内臓に隠れているひとつひとつの細胞を意識したり感謝の念を起こすことを忘れていました。クラスメイトで言うと、目立つ人ばっかりに目がいってました。すみません。ひとつのクラスには、いろんな人がいて、そのみんながいて初めてひとつのクラスが成り立つんですよね。
普段気にかけなかった自分の細胞くん。そろそろ起きてくださいよ。いじけないでくださいよ。あなたの力が必要なんですよ。自分の60,000,000,000,000個の細胞すべてが総動員してはじめて、「わたし」は「わたし」になるのですから。・・・」


温泉に入ってすべての細胞がピチピチと覚醒してくるのを不思議にもあらためて自覚したものです。


つい先日、中先生の気功講習会に行って、気功の初歩をさせてもらったときも全く同じことを感じたのを思い出しました。

すべての細胞(60兆=60,000,000,000,000個もいるのですから!)を眠りから覚醒へといざなうことが、健康や養生法などの基本なのかもしれません。
それこそが、現代医学(西洋医学)が見落としている「治癒」の大事な要素のような気もします。








風呂で細胞がピチピチと覚醒しながら、別のこともふと夢想します。

同じ43度であっても、「温泉」で感じる熱感と、家の「風呂」で感じる熱感は全く違います。

温泉では、体内の奥深くの芯まであたたかくなる感じ。
ずっと人体自体がポカポカと発熱している感じ。

薪ストーブと電気ストーブでも、温まり方が全く違いますよね。
いい温泉の後は、自分そのものが薪ストーブになったような感じで。


科学的な手法では、いろんな成分(硫黄、ストリンチウム、リチウム、ラジウム・・・)とか、pHとか浸透圧とか・・・そういう理由になるのかもしれないけれど、実験室で再現しても届かない秘密がありそうな気がする。


温泉は、地球のマグマそのもので温められた水分子ですから、そこの違いは大きいような。

温度は、分子のブラウン運動の激しさ、で表現されるんですよね?
それはきっと「粒子」的な一面な見方のようで。
量子力学的には「粒子」と「波動」の状態が常に重なり合いながら存在しているのだから、分子の「波動(振動数)」の問題として時考えると、そこに違いがありそうな。
地球の奥深くのマグマのエネルギーを受けて、計測できない振動数の違いが、温泉の熱伝導の違いをつくってると考えると、なんだか温泉の中で地球のマグマと一体化して振動しているような感覚さえかんじます。
それこそが、体の深部に達するほどの「熱」を伝える。

誰かが誰かに話すとき。
その人の「熱」が伝わるか伝わらないか・・・の違いにも似てますね。
どんなに立派な内容を言っていても、「熱」が深い場所まで到達してくる話し手と、そうじゃない人がいるように・・・。その違いはなんだろう。
そんなこともふと思う。
「波長」の合う人と旅をしながら、そんなことをふと思う。
互いが互いの「熱」を伝え合う登山。


一日たった今でも余韻の残るいい湯だった。また必ず行こう。





那須って計り知れない場所ですね。
素晴らしいです。

日本は、ほんと未知のいいところがたくさんあります。自分の無知を恥じるばかりで。



山に行き、山を感じ、自然を感じる。
そんな山や自然と共にあった日本の古層に触れる。
それはカミへの信仰にもなり、神仏習合を経てホトケの信仰とも融合する。

そんなカミやホトケに包まれて守られてきた日本の文化や歴史や伝統。

そういうものを受け継いでいきたいし残していきたい。素直にそう思う。

そのためにはちゃんと知らないといけないし、偏見なくありのままを感じないといけない。子供の無邪気な精神で感じないといけない。



外見やブランドや権威や・・・そんな外的な世界も外には広大に広がっているけれど、自分の中に広がる内的な世界も大切にしないとバランスが崩れてしまうように。
外にある海外だけに目を向けるのではなく、自分の体内のような日本を見直したい。
どちらか、ではなく、どちらも、大事だから。
日本は自分の体内のようなもの。自分のbody, mind, spirit、すべてを形作っているもの。




いい登山だったー。
仕事の忙しさにかまけず、山に登ろう。
そして、日本を旅しよう。
そこで得た活力を、また日常の仕事に生かして、形をかえて伝えていけばいいんだと、思う。

5 コメント

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わぉ。 (キヌカ)
2012-05-08 15:05:03
すご~いぃ。
ほんと楽しそう。
絶対に最高な体験なはず!!ですね。

写真がまた素晴らしいです。

自分の小ささを知るために。
バランスを揃えて整えて、
深く感謝をして。
日本をもっと好きになっていくためにも。

感覚を研ぎ澄まし、
緩め、
また磨いていこう!
明日も頑張ろっ、と思うためにも。

何者でもない自分に戻れる時間。

いいなぁ。

ところで、登山って誰でも行けるんですか?
山の高さにもよるとは思いますが、
初心者は登山サークル?とかに入るのが普通なのかな。
取っ掛かりが分からなくて。
質問ですみません。
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今は登山の本もたくさんありますねー (いなば)
2012-05-08 18:52:54
>>>>キヌカさま
ほんと楽しかったです。
普段からこどもの感性を大切にしてますが、ほんとこどもに帰るようで。

自然は偉大ですね。いかに自分が生かされているか、そんなシンプルなことを行くたびに感じます。
深く感謝。ありがとうございます。


何者でもない自分っていうのは、まさしくこどもですよねー。
自分がこどものころ、キャッキャと日が暮れるまで遊んでいたのを想い出します。


登山は、低山ならばだれでも行けるものもたくさんありますよー。
本屋に行くと初心者用の雑誌もたくさんあって(山ガールブームの影響?)、30分くらいだけ歩くのから、初心者でも一泊二日で行くようなものもありますし。

まあハイキングのようなものかもしれませんが、そういうところからコツコツと段階を上げていくのが一般的ですね。
都内だと高尾山なんて大人気です。
人もいるので、それなりに安心ですし、電車とかでのアクセスもいいですしね。

昔は、電車で行くのもじゃどうな気がして、現地まで自転車で行ってたりした若い時期もありますが、おとなになると時間がなく、そういうアクセスがいい場所(かつ確実に変えれる場所)を選ぶ傾向にあります。

登山用のサークルとかもいいかもしれませんが、自分はやはり登るメンバー次第でさらに楽しくなると思っているので、気が合うひと&興味が合う人と、とりあえず低山からとにかく登ってみるのをお薦めします。雨具は必須ですよー。

今後は、東北の山とかにももっと登りたいなぁと思ってます。
あと、地元九州の山とか、奈良や出雲など原日本なども。

日本はほんとに山が多くて、一生登り尽くせないですよ。。それがなんとも楽しいもので。登山に行かれたら是非感想教えてくださいませ。
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いいなあ!! ()
2012-05-10 04:15:51
やっと家が決まって、やっとやっとネットがつながったYo!@ Toronto

あ~~、いいなあ、なんか、超いいなあ。山登り。まず、このうらやましいという気持ちは置いておいて。
今回のブログ、すごいと思うよ。
だって、山に登った時の感動って、絶対本人にしか感じ得ないものだしうまく表現できないものだと思っていた。そしてそれでいいと思っていた。でも、これ読んで一緒に山でご飯食べて昇天!生きているって最高って気分になりました。
本当に素晴らしい登山だったのですね。
おっしゃる通り、メンバー、そしてその日その時の山と自分の呼応、場の空気、すべてがそろうと今回のような奇跡みたいな時間を過ごすことのできる登山になるんだろうね。
ウラヤマシカ、です。ただひたすら。

いつか、私もまた参加したい!
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ありがたい。 (キヌカ)
2012-05-10 21:09:09
ご返答ありがとうございます。

少しずつ、ですね。
気の合う人と、雨具は必ず。
ほんと、そうですね。
雨の匂いもしてきました。
遠足前の子供のよう(笑)

東北の山、九州の山、奈良、出雲…
日本は見事ですね。

ありがたいです。



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金峰・瑞垣山 (いなば)
2012-05-13 10:57:14
>>牧さん
どうもー 神楽坂から一気にTrontまで行ってるという感覚がしないのが、このネット空間の奇妙でいてすごいとこです。なんだか当たり前につかってるこの技術も、ある種魔術的ですよね。情報が2進法に圧縮されて、一瞬で日本からカナダまで情報が伝わるわけですから・・・

牧さんとは学生時代に金峰、瑞垣に行きましたよねー。あのとき一緒だったイッシーも今回山にいきましたよ。

あの瑞垣山っていうのは、実はかなり神秘的で霊的な山なのです。 頂上にあるどでかい巨石がすごい体制で鎮座しているのですが、あの石だけまったく成分が違うらしい。隕石なのか、誰かが持ち上げたのか・・不思議なもんです。日本が伝統的に山にカミサマが宿るとしたのは、ほんとによくわかります・・。

とにかく、あの時の山も楽しかったですね。たしか前日がすごい台風で、台風の中でテント場までテント泊して、翌朝の早朝にテントから出たらばっちり晴れてて。いやー、あの時の山のにおいも思い出します。

カナダはカナダで自然が豊かだろうし、日本のような鎮守の森のような雰囲気はあまりないかもしれないけど、アメリカやカナダの大自然というのも恐るべき雄大さがありますよねー。
カナダ生活をエンジョイしてください!


>キヌカさま
そうですね。気の合う人と、雨具は必ず、です。

学生時代は山岳部員ともよく登山してましたが、会話があまり盛り上がらないもので・笑。

みんなが大学の試験の話とか、自分も当時学生でしたが、ほとんどどうでもいいと思えるう日常の瑣末な話ばかりしている人が多くて。

やはり仲いい人と、自然から受けるInspirationとか、そういう話をしながら山に登るのはなんとも楽しいものです。

日本の山はほんとうに素晴らしいです。

今回の那須岳は火山なので、荒涼とした感じでしたが、他の山になるとまた石の雰囲気が違ったり、あとは森のような山もあったり・・・いろんな表情があって多彩です。


是非、登山してみてください。
ほんとうにいいですよー。
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