ぼけヴォケ!

認知症患者と介護家族はいかにしてボケツッコミスキルを入手したか。
慢性骨髄性白血病発症。目指せ分子遺伝子学的寛解維持。

布団。

2009-10-13 | Weblog
打ち直しされた綿が戻ってきた。
おかんさまがほどいた布団の中身である。


子どもの頃はよく布団作りを手伝ったもんである。
自分で自分の布団を作った経験のある子というのは珍しかったはずだ。
今じゃ日本のレッドデータブックに掲載されててもおかしくないが。
(いやおかしいってばよ)


布団の中綿が何層にもなっていることを知ってる人はいるだろうか。
布団の皮(表面の布のことである)の中に押し込みゃいいってもんではない。
まずは、中表にした布団の皮の上に平たく広く敷き詰める。
ここが、最終的には一番外側に来る。
その上に、厚めにさらに綿を敷く。
凹凸があると、それができあがりに響くので、厚みが均一になるように調節しつつ敷く。
その後、一番下の綿を四辺で折り返す。
そうすると縁だけ分厚くなるので、さらに中央に平らに薄く綿を敷く。
布団の形に成形した綿に、ぐるりと中表にしておいた布団皮をかぶせる。
最後に布団皮の口を縫い。布団用の綴じ糸で中綿と布団皮がずれないように綴じ留める。


文字にすると簡単そうだが、実際の作業は夏にすることが多かったので、でら大変である。
汗を掻いた手足にぺたぺたと綿の繊維がまとわりついて白っぽくなるさま。
太陽熱を吸いまくってほかほかな綿の輻射熱で上昇する室内温度。
子どもにとっては重労働であった。


そんな作業も、今年はおかんさまが一人でなすったらしい。
秋とはいえ、一人じゃしんどい作業であったろうに。
召喚されればいくらでも手を貸したのにと思う。
あいにくと、猫の手はないので人間の手であるが。


久々の重労働のせいか、おかんさまも計算が狂ったらしい。
中綿をぱんぱんにつめまくったせいで、めっさ重たい布団になってしまったそうな。


おかんさま「びーっくりしたわよ。掛布団のつもりで作ってたのに、気がついたら敷布団なみの重さになっちゃってさあ」


…………。





そんな、悪夢にうなされそうな掛布団はいやでござんす。
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