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いま年金改革でなにが必要かー日本共産党の年金改革ー

2007-06-05 06:53:46 | 国内経済
(2)いま年金改革でなにが必要か――「最低保障年金制度」の実現に踏みだし、年金制度の土台をたてなおす
 
年金制度をめぐる今日の最大の問題は、日々の生活を到底まかなえない低額年金、無年金の人が膨大な数にのぼっていることです。実際、国民年金しか受給していない高齢者は900万人もいますが、受給額は平均で月額4万6000円にすぎません。厚生年金も、女性を中心に劣悪な状態が放置されています。

 さらに重大なことは、国民年金の保険料を払っていない人がすでに1000万人を超えるなど、年金制度全体の空洞化がすすんでいることです。改革というなら、こうした現状を打開することこそ、いま緊急にもとめられていることです。

 ところが、政府・与党の年金法案は、こうした問題の解決策をまったくしめさないばかりか、保険料は連続で引き上げ、給付水準は低額年金もふくめて一律に引き下げるというものです。しかも、政府はこれまで、「将来の保険料の上限を2017年から固定し、給付水準の下限を明らかにした」と弁解してきましたが、その説明はまったくの偽りでした。

 保険料の上限については「固定される」どころか、国民年金では、賃金の上昇にともなって2017年を過ぎても上がり続け、今から30年後には3万円を超えます。また、給付の下限についても、政府がこれまで説明してきた「現役世代の収入の5割を保障する」のは、ごく限られた「厚生年金モデル世帯」だけであり、それも年金受給がはじまる時だけで、その後は5割を大幅に下回ることも明らかになりました。

 こんなことをすれば、年金の空洞化をさらに深刻にするだけでなく、憲法25条が保障する国民の「生存権」を、政府みずからが根本から破壊することになります。日本共産党は、まったく「改革」の名に値しない政府の年金大改悪計画に強く反対します。

当面、月額5万円とする「最低保障年金制度」の実現に踏みだす
 
日本共産党は先に、「『最低保障年金制度』を実現し、いまも将来も安心できる年金制度をつくる」という改革案を発表しました。その中心点は、「すべての国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利がある」とした憲法25条の「生存権」を保障する見地に立って、老後の生活をささえるために、全額国の負担でまかなう「最低保障年金制度」を実現させることです。第一歩として、最低保障額を月額5万円とし、その上に、支払った保険料に応じて一定額を上乗せし、低額年金を底上げする制度をスタートさせます。

 「最低保障年金制度」の実現に踏みだせば、低額年金や無年金者の問題、年金制度全体の空洞化、サラリーマン世帯の専業主婦の「第3号被保険者問題」など、今日の年金制度が抱えるさまざまな矛盾を根本的に解決する道が開けます。

 日本共産党は、安心できる年金制度にするために、(1)年金財源は、大型公共事業や軍事費などの浪費を削減するとともに、「所得や資産に応じて負担する」という経済民主主義の原則をつらぬき、大企業や高額所得者に応分の負担を求めて確保する、(2)巨額の年金積立金は、高齢化がピークを迎える2050年ごろまでに計画的に取り崩して年金の給付にあてる、(3)リストラや不安定雇用に歯止めをかけ、年金の支え手を増やす、(4)少子化の克服は、年金問題を解決するうえでも大事であり、子どもを安心して生み育てられる社会をつくる――この四つの改革に取り組みます。

 この改革を着実にすすめれば、給付を減額せずに、低額年金を底上げすることができます。将来、経済が発展の軌道に乗り、国民の実質所得が増えていくなかで、年金改善のために国民に保険料の負担増を求める場合も、政府の計画よりはるかに低い水準にとどめることができます。

年金「一元化」をどう考える――制度間の格差を是正し、公平な年金への前進をはかるうえでも「最低保障年金制度」が土台になる
 
自民・公明・民主は「年金の一元化問題を含む社会保障制度全般の一体的見直し」を行い、2007年3月をメドに「結論を得る」ことで合意しました。

 日本共産党は、年金制度間の格差をなくし、国民から見て公平な制度をめざすべきだと考えます。そのために、いちばん具体的で、現実的な方法は、最低保障年金制度を創設して、国民年金と厚生年金の低い部分の底上げをはかり、全体として格差を縮小していくことです。そうしてこそ、誰もが「生存権」を保障される年金制度への道が開けます。

 しかし、小泉首相や自民・公明・民主の3党合意で言っている「一元化」議論には、こうした考え方はありません。むしろ、年金制度を全体として貧しくする方向で制度を一本化する――負担は重い方に、給付は少ない方にあわせることになりかねない危険なものになっています。

 実際、現状の枠組みのもとで、国民年金と、厚生年金・共済年金の保険料や給付水準の統一を「一元化」の名でおこなえば、保険料の大幅な引き上げか、もしくは給付水準の引き下げになるだけです。国民年金を被用者年金にあわせれば、事業主負担のない国民年金の保険料は数倍にはねあがり、年金に加入できない人たちがさらに増大することは必至です。逆に、被用者年金を国民年金にあわせれば、被用者年金の給付水準を大幅に引き下げるとともに、財界が要求しているように、被用者年金への事業主負担をなくしてしまう入り口になりかねません。日本経団連が昨年1月に発表した「奥田ビジョン」では、年金などの社会保険料の事業主負担をなくす方向を打ち出しています。どちらにしても、国民にとってよいことは一つもありません。

 日本共産党は、このような年金の水準をいっそう貧しくする「一元化」には反対します。

国会の信頼回復は、まったなしの課題
 
年金をめぐる問題で、いまほど、国会の信頼が地に落ちているときはありません。国民の不信をとりのぞくためにも、ただちに国会は以下のことを実行すべきです。

 第1。国会議員・閣僚の年金未納が問題になっています。国会議員や閣僚は、国の年金制度そのものを決める権限をもち、それだけに特別な責任があります。日本共産党はこの自覚に立って、全政党のなかで最初に、すべての議員の加入・納入状況を公表しました。すべての政党は、国会議員も強制加入の対象となった86年4月以降の全議員の国会議員在職中の納入状況を公表すべきです。自民党は、年金法案を提出した与党として特別の責任があるにもかかわらず、公表を拒否し続けています。ただちに全議員の納入状況を公表することを求めます。

 第2。「国会議員互助年金」は、国庫負担が7割にものぼる、きわめて特権的な制度であり、国民の国会不信の大きな要因です。もともとこの制度は国民の税金は使わないとして発足しました。日本共産党は、特権的なやり方をただちにやめ、制度発足時の約束どおりに国庫負担を全廃した互助制度にすることを提案しています。国会での協議にあたっては、制度の廃止も視野に入れて、抜本見直しを実現します。

(3)「年金・社会保障財源」を口実にした消費税増税は許さない――3年後にせまった大増税計画にストップを
 
「年金や社会保障の財源」を口実にした消費税増税の動きが表面化しています。自民党と公明党は、昨年12月に、2007年度をめどに「消費税を含む抜本的税制改革を実現する」(与党「税制大綱」)ことを合意し、3年後の消費税増税を打ち出しました。民主党も、2007年度から、「年金目的消費税」などとして、消費税を8%に引き上げるとしています。さらに年金制度「改革」をめぐる自公民3党合意は、「社会保障制度全般について、税、保険料等の負担と給付の在り方を含め、一体的な見直し」をおこなうとしており、大増税計画をすすめることをあらためて確認しあいました。政府・与党はもちろん、こんな「合意」で、政府の年金大改悪法案の衆院通過を容認した民主党の責任も重大です。

 年金をはじめ社会保障の連続改悪で、負担増と給付削減を国民に押しつけることと一体に、消費税の大増税を強行しようとしているのです。

財界・大企業があおる消費税増税は社会保障の土台を掘りくずす
 
日本経団連や経済同友会は、昨年から消費税を段階的に18%とか19%に引き上げるという構想を相次いで打ち出し、「遅くとも2007年度までには10%とすべき」(日本経団連)などとしています。そして、消費税増税とあわせて「法人税率の引き下げ」や「年金など社会保険料の企業負担の廃止」をもとめています。財界の本音は、「社会保障のため」ではなく、大企業の負担を減らして、それを消費税で「穴埋め」することです。

 消費税導入のときも、5%への増税のときも、「年金などの社会保障財源のため」が口実にされました。しかし、消費税が導入されて以降、社会保障は、よくなるどころか、改悪の連続でした。

 導入以来16年間で、消費税の総額は148兆円にもなります。同じ時期に法人3税(法人税・法人住民税・法人事業税)は、大企業減税や不況の結果、145兆円も減りました。消費税は社会保障の財源になるどころか、法人税などの減収の穴埋めで消えてしまったのです。

 もともと消費税は、所得が少ない人ほど負担率が高くなる不公平な税制です。しかも、大企業は1円も負担しません。社会保障は国民のくらしを支える制度であり、その財源のためとして、立場の弱い人に重くのしかかる消費税増税をもちだすのは、はなはだしい本末転倒です。

 消費税の大増税は、庶民のくらし、中小零細事業者の営業を直撃し、景気を悪化させます。そうなれば国民の所得はますます落ち込み、社会保険料の収入も減り、年金や医療保険の財政がますます苦しくなるという悪循環におちいります。これでは、社会保障はよくなるどころか、ますますひどくなるだけです。

消費税大増税に反対する
 消費税は、「所得の多いものは多く、少ないものは少なく」、「生きていくために必要な生計費には税をかけない」という近代的な税の大原則に反する「最悪の不公平税制」です。

 “増税は先の話”などと思っていたら大変です。増税がねらわれている2007年は、この参議院選挙で選出される議員の任期中であり、増税をかかげる自民党、公明党、民主党への1票は、消費税増税に賛成する1票となってしまいます。

 日本共産党は、国民のみなさんとともに、3年後にせまった消費税増税計画にストップをかけるために全力をあげます。

(出所:日本共産党HP 参議院選挙にのぞむ日本共産党の政策・2004年6月2日発表から抜粋)
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