未来を信じ、未来に生きる。

今に流されず、正論を認識し、社会貢献していく人生を切り拓くブログ道。

農地法等「改正」案に対する日本共産党の見解ーもうけ本位の農外企業に農地をゆだねるな (上)ー

2009-04-23 00:17:52 | 国内経済
ゆうPRESS
大地に平和の種まこう
若者と農家 田んぼで交流
コメと9条守る思い込め
千葉

--------------------------------------------------------------------------------

 「農作業を通じて、若い人に食への関心を持ってもらいたい」と、千葉市の農家が地域の青年たちと、田畑でいっしょに作物をつくる交流イベントを開いています。農民運動千葉県連合会(千葉県農民連)青年部と、うたごえサークル「わかちばーず」が共催。取り組みは今年で7年目を迎えています。(平井真帆)

--------------------------------------------------------------------------------

 よく晴れた3月末。この日は今年、初めての作業日で「田んぼの整地」を行いました。

 農地に「鶏ふん」をまき、耕耘機(こううんき)で土を耕していきます。

“農民”に変身
 参加者は、長靴や軍手、麦わら帽子を借りて「農民ルック」に変身し、作業がスタートしました。

 田んぼに1歩踏み込むと、初心者は足を取られて歩けません。「予想以上に大変! こんなに初歩的なことまでできないとは」と参加者は汗だくです。

 「農作物っていうのは、種まけばできるってもんじゃない」

 こう話すのは農業を営む熊手正幸さん(43)です。イベントを主催し、自身の田畑を提供しています。

 熊手さんたちは、「農作物ができる過程を自分の目で見てもらえば、食や農業に対する考えも変わってくるのでは」と考え、仲間とこの取り組みを始めました。

 イベントのタイトルは「大地に平和の種をまこう」。憲法9条は国民の宝、米は国民の命。平和と農業を、ともに守っていこうと名づけました。

 参加者は田畑の整地から種まき、田植え、収穫祭と、年間を通じていつでも農作業にかかわることができます。

 収穫時には毎年、20~30人の若者が集まり、取れたてのトウモロコシや枝豆などを、その場で調理して食べたりします。

 この日、友人に誘われて初めて参加した山田学さん(27)=仮名=は、都内の税理士事務所に勤めています。「普段は農業とは全く無縁」だといいます。

 「毎日お金の計算をして、仕事だけで人生終わってしまうのはつまらない。自分が住んでいる街をもっと知りたいし、自然の楽しさを再発見したい」とやって来ました。

国産買い応援
 「この田んぼも3、4年前までは草が生い茂る荒地でした。取り組みを通じて、米や、もち米が収穫できるまでになりました」と話すのは、うたごえサークルの眞船(まふね)光子さん(40)です。子どもたちを連れて参加しています。

 以前は「安ければいい」と、産地にはこだわっていなかったという眞船さん。毎回の農作業に触れ、「多少高くても国産の農作物を買って、農家を応援したいと思うようになりました」と話します。

 鍬(くわ)を持つのも初めての体験だった山田さんは、汗をぬぐいながら言いました。

 「やってみて大変さを痛感しました。こんな重労働なのに、農家は高齢化しているんですよね。(参加して)本当に楽しかった。農家の人たちと知り合えたのも収穫。週末、時間があったら絶対、また来たいです!」

 主催者の熊手さんたちは、「収穫祭だけの参加も大歓迎。1人でも多くの若い人に参加してほしい」と期待を寄せています。

--------------------------------------------------------------------------------

農業のイメージ変えたい
千葉県農民連青年部事務局 小林千佳子さんの思い
 千葉県農民連青年部事務局で働き、「大地に平和の種をまこう」のイベントにかかわる小林千佳子さん(27)に思いを聞きました。


 両親は専業農家で、スイカやニンジンを作っています。

 周りも農家ですが、親の後を継いで農業をやる人はすごく少ないです。

 「自分たちの大変さを子どもには味わわせたくない」と、子どもには収入の安定した、ほかの仕事につくよう勧める人が多いです。

 でも、本心は継いでほしいのだと思います。自分の畑を手放したくはないし、親は野菜を作ることに誇りを持っています。

 そんな両親の姿を見て、私も何かしら農業にかかわることをやりたいと思っていました。

 実は、私の20歳の妹が農家を継ぐことを選び、両親と一緒に農業をしています。

 今、農家はほんとうにギリギリのところで生活し、何とか経営を守っています。

 政府の、農産物価格を市場任せにするやり方では、とてもやっていけません。

 国は、農業に誇りを持って一生懸命やっている家族経営農家を切り捨てるような政策をすすめるのではなく、応援してほしいと、心から願っています。

 大変な面もあるけれど、物作りは楽しいし、収穫の喜びはとても大きいです。

 多くの青年にこのイベントを通じて、農業のイメージを、良い意味で変えていってもらえたらと思っています。

--------------------------------------------------------------------------------

「大地に平和の種をまこう」今年の日程
4月12日(日)
 枝豆・トウモロコシの種まき
 ナス・かぼちゃの植え付け
 ※雨天時は19日(日)に延期

5月10日(日)
 田植え
 ※雨天時は17日(日)に延期

7月18・19日(土・日)
 夏の収穫祭

9月27日(日)
 稲刈り(予定)

11月28・29日(土・日)
 冬の収穫祭
 ※種、苗代として参加費500円
 収穫祭は3,000円

 問い合わせ=千葉県農民連
 電話 043(443)9260
 電子メール chiba-nm@trust.ocn.ne.jp

(出所:日本共産党HP 2009年4月6日(月)「しんぶん赤旗」)

農地法「改正」案
利益本位企業に委ねるな
共産党国会議員団 廃案求め見解

--------------------------------------------------------------------------------

 日本共産党国会議員団は二十一日、今国会で審議されている農地法等「改正」案について「もうけ本位の農外企業に農地をゆだねるわけにはいかない」とする「見解」を発表しました。

 見解は、同法案が家族経営中心の農業を解体し、食料の自給率向上や環境の保全などに重大な障害を持ち込むとして強く反対し、廃案を求めています。

 同法案の中心は、地域に住み自ら農作業をする者に農地に関する権利(所有権、賃借権)を認めている「農地耕作者主義」をやめ、「効率的な利用」をはかる形式を整えるならば、だれにでも農地を利用できるようにすることにあります。

 党国会議員団農水部会長の紙智子参院議員と「食料・食の安全・農林漁業対策委員会」責任者の高橋ちづ子衆院議員が農水省内の農政クラブと農林記者会で会見、有坂哲夫党農・漁民局長が同席しました。

 紙、高橋両氏は、農村現場視察した経験もふまえ「農地耕作者主義の廃止は、家族農業が果たしている地域農業の維持や環境保全をそこね、時代の要請に逆行している。現在の農地法でも、農業を本気にめざすなら企業をふくめ参入できる。しかし63%は赤字だ。それでも自由化をいうのは農地を別に利用するとの考えがあるからだ」と指摘しました。

 また、耕作放棄地の解消、農地の有効利用のためには多様な農業が必要だとのべ、価格保障と所得補償の充実を柱にした日本共産党の「農業再生プラン」を紹介しました。

農地法等「改正」案についての見解
もうけ本位の農外企業に農地をゆだねるわけにはいかない (上)
日本共産党国会議員団

--------------------------------------------------------------------------------

 日本共産党国会議員団が二十一日に発表した「農地法等『改正』案についての見解」はつぎのとおりです。

--------------------------------------------------------------------------------

 いま農地法等の「改正」案が国会で審議されています。農地法の目的まで見直し、農地の貸借を全面自由化し、企業の農業参入に大きく道を開く、一九五二年農地法制定以来の大転換です。

 日本共産党は、法案が、家族経営中心の農業を解体し、食料の自給率向上や環境の保全などに重大な障害を持ち込むものとして、強く反対し、廃案を求めます。あわせて、農地の荒廃をくいとめ、全面的な活用が可能となる農政の実現にむけて国民的な運動を呼びかけます。

“農地は耕作者のもの”という原則を放棄して農地は守れない

 「改正」案の最大の問題は、農地法の根幹である“農地は耕作者のもの”という原則(耕作者主義)を解体するところにあります。みずから農作業に従事するものにのみ農地に関する権利を認めるこの原則は、農家が安心して営農に取り組める基盤となり、農外企業による農地の投機や買い占め、農地の他用途転用にたいする防波堤の役割を果たしてきました。戦後民主主義の原点の一つである農地改革を具体化し、農業と農村社会の安定の土台となってきたものです。

 「改正」案は、第一条の目的から、「耕作者の農地の取得を促進し、その権利を保護し、…地位の安定…を図る」を外し、「農地を効率的に利用する者…の権利の取得の促進」に置き換えています。「耕作者」という文言をいっさい削除し、「耕作者」の権利を重視する法制度から、「効率的な利用」が図れれば農外企業でも誰でもいいという考え方への転換です。

 今日、農地には食料生産の基盤であるとともに環境や国土の保全、住民の暮らしや就業の場の確保、伝統や文化をはぐくむ地域の共有財産としての役割も求められています。そうした多面的な役割を担ううえでも、もっともふさわしいのが耕作者主義の原則です。「改正」案は、そうした時代の要請に逆行するものといわなければなりません。

「所有権」の自由化に連動するのは必至

 政府は、今回自由化するのは農地の「貸借」に限り、「所有権」については従来の規制を維持するといいます。確かに、農地の権利移転の要件を定めた第三条には「農作業に常時従事する者」以外には許可しないという規定を残しています。しかし、その根拠となる第一条の理念を放棄して、個別条項でいつまでも維持できるのでしょうか。第一条で「農地は耕作者みずから所有がもっとも適当」とする規定を削除したことも、「誰が所有してもいい」という議論になるのは必至です。貸付農地(小作地)の所有を制限する規定を廃止することも、地主的な農地所有や貸出目的による農地取得も自由となりかねません。「改正」案は、農地の「利用権」にとどまらず、「所有権」の自由化に道を開くものとみないわけにはいきません。

“適正利用の監視”で農地は守れるか

 「改正」案では、「必要な機械を保有し」「農作業に従事する人の数」を確保すれば、外資系を含めてどんな企業でも、「貸借」を許可することにならざるをえません。そうした企業は、当面の農業経営は維持しても、利益がでなければ、容易に撤退を選択するか、農地利用を放棄するのは予測できます。政府は、「貸借」は、「適正利用」に反すれば貸借解除する旨の契約を結んだ企業などに限定する、といいます。しかし、貸し手と借り手の双方が貸借の継続を望めば、そうした契約が「不適正利用」の実効ある歯止めにはなりえません。そして、「適正利用」に反する事態が大規模に発生すれば、その解決に多大な時間とコストが必要になるでしょう。

 今回、農業委員会に、農地の利用状況を調査し、「適正」かどうかを判断し、必要な措置をとる役割を与えています。しかし、近年、大規模な市町村合併や委員定数の大幅削減、予算の削減などで農業委員会を弱体化させてきたのも政府です。その現状をそのままに、“入り口”を開放し、「違反したら事後に是正させる」などといっても“絵に描いたもち”になるのは必至です。

農業生産法人への企業参加もいっそう容易に

 「改正」案は、農外企業の農業生産法人を活用した農地進出の窓口も一段と広げています。農業生産法人の制度は、「みずから農作業に従事する」性格が保たれる法人に限って農地取得の道を開いたもので、今日その大半は、農家の共同組織として地域農業で重要な役割をはたしています。ところが近年、「耕作者主義」を貫くために厳格に定められた法人の要件が、財界の要求でたびたび緩和されてきました。関連企業が構成員になる場合、運営・方針などの議決権を一企業10%以下、合計でも四分の一以下に広げられてきたのもその一つです。今回はそれをさらに、一企業10%以下の制限を外し、特定の関連企業の場合には議決権を50%未満まで認めるとしています。農業生産法人にたいする農外企業の実質的な支配をいっそう容易にするものです。

借地農業の実態や関係者の要求とも矛盾

 「改正」案は、標準小作料の制度を廃止しています。農業委員会が地域の実態に即して定める標準小作料は、借地料の目安として借り手・貸し手の双方から高く評価されてきました。その廃止は、農外企業がより高い借地料で農地を集めることを可能にします。賃貸借期間の制限も、「二十年以下」から「五十年以下」に延長しています。所有権に限りなく近い期間です。いずれも、企業参入自由化と一体で財界が要求してきたもので、「利用」重視といいながら、農地を借りて営まれている農業の実態や関係者の要求とは矛盾するといわなければなりません。(つづく)

(出所:日本共産党HP  2009年4月22日(水)「しんぶん赤旗」)
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 国と自治体は大企業の内部留... | トップ | 農地法等「改正」案に対する... »

コメントを投稿

国内経済」カテゴリの最新記事