夜の翼

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ヘッドホン更新(その4)~HD595と相性がいいのは?

2010-08-11 05:42:40 | オーディオ
ちまちまと進めてきた手持ちCDのWAV化もようやく終わり、
概ねエージングの済んだHD595とHP-A3のコンビで音楽を聴いております。
クラシックからハードロック、民俗音楽まで、ジャンルはバラバラです。
さらに録音の時期、状態も極端に差があります。
一番古い録音のCDは、1941年録音のウッディー・ガスリー「コロンビア・リバー・コレクション」です。

録音時期が古いからといって一概に、録音状態が悪いとは限らず、
70年代の録音でも良いものは良いし、最新のCDでもひどいものはひどいですからね。

いろいろなジャンルの音楽をHD595を聴いて思うのは、
それほど音楽ジャンルを選ぶタイプのヘッドホンではないなと思います。
どちらかというとクラッシク向き、ロック系は向かないと言われているようですが、
個人的にはそういう印象はなく、ハードロックも「無難にこなす」以上の感じで、
がっちり気持ちよく聴かせてくれます。
イースタンユースの「沸点36℃」なんては、
聴くたびに吉野寿と一緒に歌わずに、いや叫ばずにいられないです。
もちろん夜なので、声は出さずにですが。

まあ、打ち込み系のものより、ギター中心の古典的なロックの方がよいとは思いますが。
ニルヴァーナとかもいい感じです。
もっと鋭い響きがあったほうがいいと思う方もいるでしょうが、
個人的にはこのぐらいがちょうどいい感じ。

高音は、思った以上によく出るというか、かなり鋭く感じる時があります。
フー・ツォンの弾くショパンのノクターンを聴くと、
高音のフォルテシモは、かなり耳にガツンとくる感じです。

そもそもフー・ツォンのノクターンは、激情系ですが、
HD595で聴くとさらに激情度が増す感じです。
これはちょっと意外でしたが、HP-A3と組み合わせているせいかもしれませんが、
もう少し時間が経つと落ち着いてくるのかもしれません。

HD595に換えて特によくなったと感じるのが、歌ものです。
曲によっては、高音と低音にはさまれて肝心の中域が若干埋もれがちになる傾向がありますが、
これは録音自体がドンシャリ気味になっている場合ですね。
大部分の曲は、ボーカルが生き生きと歌うので、聴いていてとても気持ちがいいです。
最近購入したナイロンズのベストですが、
前のヘッドホンATH-AD7で聴くとどうもノリが悪く、
あまり楽しく聴けなかったのですが、HD595に換えたら、もうノリノリ!
これこれ!ナイロンズはこうでなくちゃ!

「Up The Ladder To The Roof」は、じっとして聴いていることができません。
体が勝手に動いちゃいます。

しっとりとした感じ曲はどうかというと、HD595に一番向いているかもしれません。
カーペンターズの「Solitaire」は、大好きな曲なのですが、
HD595で聴くと、聴くたびに泣きそうなぐらいです。
この曲の歌詞は、孤独にひとり遊びを続ける男の話ですが、
拒食症で若くして亡くなったカレン・カーペンターの姿とどうしても重なるところがあり、
とても切ない気持ちにさせられる曲です。
高校生のときに初めて聞いて以来、何度聴いたか分かりません。
最近カーペンターズ結成40年記念のベスト版が出ました。

チリャード・カーペンターの手によるリマスタリング、
さらにSHM-CD仕様ということで思わず買ってしまいましたが、これが大正解!
録音があまりよくなく残念だった曲が、文字どおり鮮やかによみがえったという感じです。
SHM-CD仕様の効果というより、リマスタリングの効果が大きいと思いますが、
こんな音でカレンの歌声が聴けるとは・・・(涙)
今まで埋もれていた声のニュアンスが伝わってきます。
ボーカルとバックの楽器の分離感も十分あります。
これだけでもHD595を買った甲斐があるというものです。

以前気になっていた日本語のサ行も、全く気にならないというわけではありませんが、
以前よりは、気にならないレベルです。
音楽を聴くのに支障にならない程度に抑えられてます。

HD595のよいところは、音の解像度とか、fレンジの広さといったオーディオ的な要素を
必要にして十分に満たしながら、
出てくる音が決して刺激的というか、いや音を出さない絶妙なバランスにあると思います。
決してフラットバランスというわけではないのですが、とにかく音楽が気持ちよく聴け、
装着感のよさと相まって、神経質に細かい「音」を聴くのではなく、
「音楽」を聴くことに没頭できるヘッドホンだというのが現時点での感想です。

試しに、音楽(いわんやオーディオなんて)については、ほとんど興味のない妻に
エージングの済んだHD595の音を聴いてもらいました。
その感想は「なんか単に音が大きいだけ。」というもの。
「音量は大きいけど、うるさく感じるか?」と聴いてみると
「いや、そういう感じはしない。」というお答え。
この「音量は大きいのにうるさく感じない」というのが、
HD595の性格を物語っているような気がします。

秋葉原にヘッドホンの試聴に行ったときに、妻も一緒だったので
妻もなにげにヘッドホンの試聴をしていたわけですが、
その中で「普段使っているのと全然違う!」といっていた組み合わせがあります。
AKGのK701とオーディオテクニカのAT-HA5000の組み合わせだったと思います。
確かにこのレベルの機器になれば、一聴してその違いは分かるというもの。
しかし、これではとても耳障りで聴いていられない曲がかなりの高い確率で
出てくるだろうなというのは、容易に推測ができます。

HD595は、録音の良い曲はより美しく楽しく聴かせてくれますし、
録音の悪い曲でも「それなりに」聴かせてくれるので、
耳障りでとても聴いていられないということはありません。
この点が、HD595の大いなる美点のひとつで、聴く音楽ジャンルをあまり選ばないことも考えると、
オールラウンダー(それもかなり高いレベルの)ということができます。
ただ、量感はあるものの、あまり解像度がな低音の質感は、好き嫌いが分かれるかもしれません。
オーディオ的に特化していけば、これより性能の高いヘッドホンはもちろんあるでしょうが、
個人的には、これだけ雑多なジャンルの音楽をこれだけ美しく、楽しく聴かせてくれるのであれば、
しばらくは、これ以上のものはいらないような気がします。
これ以上を求めるなら、複数のヘッドホンを使い分けることになるんでしょうね。

とくかくジャンルにこだわらずいろいろな音楽を聴くので、
オーディオ機器選びはけっこう困ることが多かったのですが、
ことヘッドホンに関しては、しばらくは悩まずに済みそうです。
あとはHD595を中心にして、細かいところを詰めて生きたいなと思っていますが、
音源がPCなので、肝心のOSをXPから乗り換えるのは、3年後の予定・・・
先は長いです。


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