集団で強姦と殺人を犯した11人が釈放...英雄のような歓迎を受け、批判が殺到
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<イスラム教徒に対する暴動の中で妊婦が集団で暴行を受け、家族が殺害された事件の犯人に恩赦。ヒンドゥー民族主義とのかかわりも指摘される>
2002年に妊婦を集団でレイプし、3歳の娘を含む家族7人を殺害した罪で有罪判決を受けた11人の男に、インドの裁判所が恩赦を与えた。これによって11人の受刑者が釈放されたことで、この事件が再び世間を騒がせている。8月15日、刑務所から出てきた11人を待っていたのは、英雄を迎えるような歓迎だった。
11 convicts sentenced to life imprisonment on charges of gangrape and murder of 7 members of #BilkisBano's family walked out of a Godhra sub-jail today. The Gujarat government allowed their release under its remission policy. #2002GujaratRiots @TheQuint pic.twitter.com/u1dawz5zzm
— Himanshi Dahiya (@himansshhi) August 16, 2022
11人は、2002年にインド西部のグジャラート州で起きた大規模な暴動において、当時21歳のイスラム教徒ビルキス・バノさんを集団レイプし、その家族を殺害した罪で、2008年に終身刑の有罪判決を受けていた。ロイターによれば、バノさんは当時、妊娠5カ月だった。
ソーシャルメディアで拡散された動画には、釈放された11人が、親族からお菓子を配られたり、敬意の印として足に触れられたりしている様子が映っている。
2002年2月、ヒンドゥー教の巡礼者59人を乗せた列車が炎上し、乗客全員が死亡するという事件が起きた後、イスラム教徒の迫害が始まった。事件の報復として、グジャラート州だけで2000人近くが刃物、銃、炎によって命を奪われた。犠牲者の大部分がイスラム教徒だった。
騒動のさなかにあった3月3日、畑に避難していたバノさんの家族が、鎌や剣、棒を振り回す20~30人の集団に襲われた。一連の恐ろしい暴動のなかでも、バノさんに対する集団レイプは、インドの少数派であるイスラム教徒たちの神経を逆なでする出来事だった。
■被害者は「正義への信頼を揺るがされている」
2022年8月15日の夜、レイプ犯たちが釈放されたという事実を受け入れることができず、バノさんは言葉を失った。
バノさんの夫であるヤクブ・ラスールさんはインディアン・エクスプレスの取材に対し、こう語った。「私たちの長年にわたる戦いが、一瞬にして終わりを迎えた。裁判所によって下された終身刑の判決が、このような形で短縮されるなんて......。私たちは、『恩赦』という言葉を聞いたことすらなかった。そのような制度が存在することすら知らなかった」
バノさんは、声明の中で次のように述べている。「女性のための正義がなぜ、このような終わりを迎えるのか? 私は、この国の最高裁判所を信頼していた。私は裁判制度を信頼し、トラウマとともに生きることをゆっくり学んでいた。これらの受刑者が釈放されたことで、私は心の安らぎを奪われ、正義に対する信頼を揺るがされている」
バノさんはさらに、「これほど重大で不当な決定を下す前に、誰も、私の安全や幸福について尋ねなかった......。恐れることなく平和に生きる権利を返してほしい。家族と私の安全を守ってほしい」と語り、グジャラート州政府に決定の撤回を求めた。
BJP政権になってからイスラム教徒への攻撃が激増
11人の受刑者が釈放されたことを受け、多くの活動家や政治家などが非難の声を上げている。インドの著名ジャーナリスト兼活動家ラナ・アイユーブは、「女性でなくても、イスラム教徒でなくても、政府に批判的な人でなくても、ビルキス・バノさんを集団レイプし、その家族を殺害した犯人たちの恩赦に激怒することはできる」とツイートした。
弁護士のプラシャント・ブーシャンは、「これは公式発表だ。少なくとも1つの州、1つの政党、1つの組織がレイプ犯たちを愛しているということだ!」とコメントしている。また、ジャーナリストのアリサン・ジャフリは、「正義に対する信頼を揺るがされた」と書いた。
あるツイッターユーザーは、「レイプ犯たちが釈放され、花飾りを首にかけてもらい、お菓子をもらった。これが正義だ」と書き込んだ。
地元のイスラム政党を率いるアサドゥディン・オワイシ議員は、11人の受刑者の釈放を非難したうえで、ナレンドラ・モディ首相と与党のインド人民党(BJP)を、「そのような人々に見返りを与えている」として批判した。2002年に暴動が発生したとき、モディはグジャラート州の首相だった。
インド人民党はヒンドゥー民族主義の政党であり、今回の決定については、野党、活動家、ジャーナリストから痛烈に批判されている。BBCによれば、2014年にインド人民党政権が成立してから、イスラム教徒に対する攻撃が激増しているという。
(翻訳:ガリレオ)
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