◆№16 03月07 「バッド・ルーテナント」(★★★★☆)
(感想)
▼人間の心の世界を描くというのは映画でしかできない世界のひとつ。現実的に描いているが、テレンス警部補の行動は犯罪として明るみに出ない限り、闇の世界の出来事だ。言い換えれば、犯罪として起きた出来事を拾い集めてテレンス警部補というキャラクターを形成したとも言える。
▼スーパーヒーローを描いたものではないが、非現実的なキ . . . 本文を読む
◆№17 03月11日 「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女」(★★★★★)
(感想)
▼非常に魅力的な映画だった。内容はとても充実していて、展開が見事。原作の持ち味を生かした脚本の良さが感じられた。監督の演出も良く、スウェーデンの底力を見せられた感じ。
▼ヨーロッパのミステリー映画は地味な演出だが骨太だと思う。さらに地味な作品だったがイタリアの「湖のほとりで」も丁寧な構成の佳作だった。 . . . 本文を読む
◆№15 02月28日 「海角7号/君想う、国境の南」(★★★★★)
(感想)
▼想像以上に良い映画でした。構成と脚本と歌に、すっかりやられました。ハッキリ言って、演技はそれほど上手くないです。
▼しかし、演技がイマイチなのに心に響くのは、やっぱ、目が生きているからかなー。台詞なんか、下手は言い過ぎだけど、普通以下。
▼良い映画を作るのは良い役者、良い演技、だけではないことを本作品も見 . . . 本文を読む
◆№14 02月27日 「インビクタス/負けざる者たち」(★★★★★)
(感想)
▼「言うは易く行なうは難し」という言葉を知っている人は多いが、実際行える人は少ない。言動一致、不言実行。実行するということは困難と向きあうことだ。困難と向きあうことに特別な能力は要らない。不屈の精神(意志)があればいい。とは言うものの、気持ちだけでは実行は継続出来ない。ガンジーやキング牧師など、人知も及ばぬ精神 . . . 本文を読む
◆№13 02月24日 「カティンの森」(★★★★☆)
(感想)
▼ポーランド軍将稿の虐殺を人間の悲しみという視点で描いた作品。とても重厚で、ポーランドの危機と人々の悲しみが見事な演技で表現されている。
▼だれが良いとか悪いとか、ソ連の仕業とかを声高に訴えるのではなく。第二次大戦から戦争後も続いた、肉体的、精神的ポーランド国民への、虐殺や抑圧や偽善、そして国際的無視・無関心に対する悲しみ . . . 本文を読む
◆№12 02月20日 「千年の祈り」(★★★★☆)
(感想)
▼このような日常を描いて、平坦なストーリーは難しい。唯一のインパクトは父と娘の感情のもつれだけという地味なもの。アップダウンのない構成で観客をつなぎとめるのは難しい。
▼開き直りとも言え無くないが、すべての人を対象と考えず、分かる人だけ良さを感じて方式作品。▼でも、こういう作品は貴重。密度の濃い深く掘り下げた描き方をしている場 . . . 本文を読む
◆№10 02月13日 「ラブリーボーン」(★★★☆☆)
(感想)
▼泣く子も黙る「ロード・オブ・ザ・リング」3部作を観ると、駄作なんか無縁の監督かと思っていたが、本作は構成がバラバラで一体感を欠いている。
▼ジャクソン監督は独特の壮大で緻密な世界を造出すけれど、それが常に分かりやすいとは言えない。
▼ジャクソン監督の感性が生み出す表現は難解だ。本作を観て感じたのは、「ロード・オブ・ . . . 本文を読む
◆№11 02月19日 「パラノーマル・アクティビティ」(★★★★★)
(感想)
▼私は怖がりなので、めったにホラーは観ない。常に観ないのだが、「超低予算で製作されたインディーズ作品にもかかわらず、評判が口コミで広がり、全米公開が実現するや尻上がりに順位を上げ、ついには興行成績で第1位を獲得してしまったばかりか、興行収入でも1億ドルを突破する大ヒット」、と知って観たくなった。
▼観て、驚 . . . 本文を読む
◆№09 02月11日 「ゴールデンスランバー」(★★★★★)
(感想)
▼私としては、観た日に感想を書くことは珍しい。たいてい数日後に書いている。
▼さて、まずは監督、どんどんドラマの作り方、見せ方が上手くなっている。スタートの仕掛けが、中盤、そしてラストと、全く異なる形で活きている。過去の映画全盛黄金時代には、お約束の仕掛けだったけど、最近の映画では少なくなっている。
▼この映画は逃亡劇 . . . 本文を読む
◆№04 01月21日 「花と兵隊」(★★★★☆)
(感想)
▼この映画はとても素晴らし作品なのだが、表す言葉が思い浮かばない。
▼今の日本人からしたら、決して豊かとは思わないだろう生活をしている旧日本兵とその家族。しかし、彼らの穏やかな顔と生活から、安らぎや平穏の本当の価値を知る人達だと分かる。
▼これは戦争体験の中でも特に悲惨な状況をしる人達だからこそ知り得る平穏の重みだ。穏やかな顔の . . . 本文を読む