岩田亨の短歌工房 -斎藤茂吉・佐藤佐太郎・尾崎左永子・短歌・日本語-

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鶴見川の歌:尾崎左永子の短歌

2022年10月24日 23時46分46秒 | 尾崎左永子(長澤一作・川島喜代詩)の短歌を読む
・鶴見川光ゆたけき午となりて水すれすれに海鳥あそぶ
 「尾崎左永子八十八歌」所収。2015年段階の代表作

 この作品の魅力は「透明感」である。鶴見川は都市部を流れる1級河川水も汚れていよう。だがこの作品から感じ取れるのは「水の豊かさ」「透明感」だ。「水鳥」の「白い」イメージが湧く。白くはないかも知れないが、それほど「透明感」が際立っている。

 作者の美意識を具象化した作品だ。

 「午」は午後だが、「時刻」は「捨象」、「海鳥」の「色・種」も「捨象」されている。佐太郎の言う「表現の限定」、作者の言う「言葉の削ぎ落し」だ。




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