オクトシティー正直村

おかしいな?変だな?と思った事を綴った駄文

労働生産性と労働人口

2012年01月25日 | Weblog
GDPという経済指標がある。

 GDPをあげるためには、労働生産性と労働人口の向上が必要だと言う。これをまともに考えると、生産に要する人件費を削減して労働人口を増加することとなるが、これは相反することに思える。人件費を削減すれば、労働人口が減少するのが当然の帰結である。それにもかかわらず、GDPを向上しようとするためには、現状からの大幅な環境変化を強制していることになる。すなはち、労働者の数を画期的に増大させようと言うことに他ならない。このことによって安い賃金での労働者の確保が可能になるということになるが、これって、本当のあるべき姿であろうかと疑問が募るばかりである。

GDPばかり気にするのではなく、その質を考えるべきである。

 生産効率を無視してでも、質の高い商品を提供するという考え方も追求すべきである。安かろう悪かろうの商品を大量生産する時代はとっくに終わっている。労働生産性という指標を考え直すべき時期になっているのではないかと考える。効率的に商品を生み出すだけでなくたとえ生産価格が高価になっても高品質を追求する考え方が重視されるのではないかと思う。本当にいい商品が生き残る環境になりつつあるのではないかと思う。その考え方に移行できる企業が生き残れるのではないかと思う。大量生産大量消費の時代はとっくに終わっている。

労働生産性についても考え直すべきである。

 質の高いものに対しては高額の投資をしても問題ないし、むしろその方がこれから求められている商品でもあると思う。確かに、過渡的には大量生産大量消費が存在し得るし、品質を落とした発展途上国の需要に対応した商品の供給も有り得るが、これは一過性に過ぎない。集約する目標はここではない。このことは明確であり、発展途上国での未熟な商品が拒絶され、先進諸国の成熟した商品の需要が向上していることで確信できる。それなのに、市場の動きを単純に解釈して粗製濫造の方向に進むのは間違っていると思う。

労働人口の向上についても考え直すべきである。

 本当に労働人口を増大させようとすれば、若者の人口を増やすだけでなく対策はいろいろある。例えば、女性や高齢者の労働人口を増やすことである。日本の半数を占める女性や高齢者の労働人口を活用すれば、若者の労働人口が減少していようと関係なく必要な労働力は確保できる。そうならないのは、労働の質を考慮していないからである。質とは、正社員として採用し、長期雇用を保証する体制だと思う。大量に採用して短期で解雇する体制に良好な労働力の質を期待することはできない。単に人件費を削減して効率化を図ろうとする考え方では商品の質的向上には何も貢献していない。

値段相当のものを安く大量に提供する時代は終わった。

 将来的には消費者が要求する質の高いものをたとえ価格が高くても供給する時代だと思う。そのような企業が生き残ってゆくのだと思う。そのためには、売り上げNo.1ではなくて、品質のオンリーワンを目指さなければならない。しかも、技術力のNo.1ではなく、消費者の需要を満足したオンリーワンであるべきである。そのために投資することは決して無駄ではないし、現時点で潜在的に保持する能力について的確に認識すべきであるし、その能力を効率化の名の下に消滅させてはならない。反対にこれを奨励する施策を展開すべきなのである。「金」の使い方が問われているんだと思う。

日本国内の商品を良く見ていると、

 素晴らしい商品ばかりである。商品と言う「モノ」だけでなくサービスも素晴らしい。これだけ質の向上に徹底していれば、たぶん労働生産性の向上は低くなるだろうけれども、GDP向上のために質の向上を無視するのはなんだかおかしい。だから日本国内の人件費は高いんだろう。でも、それは質を高めるために必要な投資だと思う。それをなしにして日本のオンリーワンは望めない。そういう意味では国内需要については労働力は十分足りていると思う。この質を落とす必要はないと思うし、この質を海外向けの売り物にすべきではないかと思う。

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