2010年12月28日(火) 提供 / JAL
♪ Avenue John Abercrombie
♪ Ritz Song 日向敏文
イタリアでは、1月1日を、カポダンノ、一年の頭の日、と呼び、この日だけは祝日です。クリスマスは、家族と一緒に過ごすイタリアですが、新年のカウントダウンは、友人たちと盛大な、年越しパーティー。スプマンテと呼ばれる、発泡性のワインで、新年の乾杯をした後、夜が白々と明けるまで、友人たちと騒ぐのですから、ほとんどの人は、仕事始めに備えて、寝正月です。さて、そんなゆっくり寝て過ごす、イタリアの元旦に、おせち料理のような御馳走はありませんが、必ず、食べるものがあります。それは、レンティッキア。日本では、レンズ豆と呼ばれる、豆の煮込み。この豆の煮込みを、イタリアでは、元旦に、手でつまんで食べると、食べた豆の数だけ、お金持ちになれると信じられています。このレンズ豆、望遠鏡や、メガネに使うレンズに似ているところから、こう呼ばれていますが、古くは、旧約聖書にも登場する食材。聖書の中では、空腹のあまり、この豆の煮込みと引き換えに、大事な物を譲ったべ物として、飽食の戒めに使われています。大事な物と引き換えにするほど、貴重な物を、年の始めに食べる。イタリアで、元旦に、このレンズ豆が食べられるのは、こうした理由からなのでしょうか。日本でも、おせち料理に、まめまめしく、黒く日焼けするまで働こう、との願いを込めて、黒豆を食べますが、今年のおせち料理は、イタリア風に、お金持ちになれる、レンズ豆の煮込み、というのは、如何でしょう。
♪ Una Rosa Per Tutti(Bossa 1) Luis Bacalov
サウンドグラフティ MICHAEL JACKSON No.2
♪ The Way You Make Me Feel
♪ Man In The Mirror
♪ Keep Your Head Up
♪ Kantana(Second Movement) Dalindeo
行く年を惜しみ、来る年に願いを込めて打たれる、除夜の鐘。日本のお寺で打たれる、百八つの金は、煩悩の数とも言われています。さて、お隣韓国は、日本に、仏教を伝えた国。勿論、除夜の鐘は打たれますが、日本と違うのは、その数。韓国では、新年を迎えた、午前零時になると、33回、鐘は打たれます。33打つのは、仏教で、33という数字は、万物の根源を意味しているからだといいます。明洞から歩いてすぐの場所にある、ポシンガク(普信閣)では、有名な、鐘突きイベントが行われます。この、ポシンガクの鐘、朝鮮王朝時代、ソウルの城門の開け閉めを知らせた、由緒ある鐘。昔は、午前4時に、33回鐘が打たれると、ソウルの城門が開き、午後10時に、28回鳴ると、城門が閉まったといいます。大晦日、およそ20トンにも達する、この巨大な金を突くイベントには、毎年、15万人もの人々が集まります。いつもは静かな、ポシンガク界隈も、この日は、若者たちでいっぱいになり、まるで、お祭りのよう。道路には、屋台が並び、様々なイベントが、繰り広げられます。午前零時が近付くと、いよいよカウントダウン。5・4・3・2・1、新年の鐘が鳴ると同時に、一斉に、夜空に打ち上げられる花火、この花火のごう音で、残念ながら、ポシンガクの鐘は、ほとんど聞こえません。毎年、この花火で、けが人も出るとか。ポシンガクの鐘突きに行かれる方は、出来るだけ、人混みは避けた方が、良さそうです。
♪ High Flying Bird Steve Dobrogosz