Room☆P

☆☆☆☆☆

アメリカ☆ブルックリン橋/ポーランド☆聖マリア教会のラッパ吹き

2020年03月31日 01時02分14秒 | JET STREAM
 2020年3月30日(月)     提供 / JAL 、日本大学

厚い雲を抜けると 眩しいほどに銀河が広がっています
高度一万メートルの上空は 汚れのない 神秘の世界
音もなく 地球が回っているのが 肌で感じられます
機長の 福山雅治です
この度 新しく夜間飛行のパイロットを務めることになりました
午前零時の ナイト・オン・ザ・プラネット
77億もの人々が織り成す時の流れを 旅という心で綴る 音楽の定期便 JET STREAM
これから 皆様を 新たな出会い 夢溢れる世界へと お連れ致しましょう



マンハッタンを背に ブルックリン橋を渡る 鉄板の上でタイヤは歌い出し
ワイヤーと 鉄骨の長い檻の中を 車はハミングしながら駆けて行く
倉庫街を抜け 展望のきく岸壁の道へ出て 案内の友と見たイーストリバーの向こう
マンハッタンの夕景色を 心の栞に 書き付けておこう


ニューヨークを代表する観光名所 ブルックリン・ブリッジ は
アメリカで最も古い 吊り橋の一つです
マンハッタンからブルックリンまで 
ゴシック様式の橋げたに 鋼鉄のワイヤーが見事な網の目状にかかるその姿は
さながら ウォール街の近衛兵 のようです
かつてブルックリンといえば 観光客には危険なエリア 
夜歩くなど とても考えられない所でしたが 
今ではニューヨーク随一の流行発信地 ダンボ が 登場
古い倉庫街には お洒落なショップや カフェが お店を広げています
夕暮れが近付いたら ブルックリンブリッジパーク に向かいましょう
週末には 野外映画会も開かれるこの公園で お薦めの場所は ジェーンズ・カルーセル
今から100年ほど前に作られた ヴィンテージものの回転木馬
この回転木馬に魅せられた ジェーンズさん という女性が
20年の歳月を掛けて修復 9年前に ここに 寄付したものです
ガラス張りの建物に納められた このキラキラと輝く 宝石箱のような回転木馬
夕日に染まるブルックリンブリッジと 回転木馬を眺めていると
そのあまりの可愛さに ポケットに入れて 持ち帰りたくなる



ポーランド南部の街 クラクフは 世界遺産に登録された 歴史ある街 
17世紀まで この国の都がおかれていました
街の中心部にある 中央広場の周りには
ポーランド王国 の 名残を留める 数多くの歴史的建造物が建ち並んでいます
その一つが 聖マリア教会 
高さ80メートルを誇る 二つの塔を持った壮大なゴシック様式の教会です
この塔の上から 毎日 一時間毎に ラッパが吹き鳴らされます
時を告げるそのラッパは 塔の上にある三つの窓で それぞれメロディーを奏でた後
四番目の窓から吹き鳴らされる途中で その音を止めます
どうしてラッパは 尻切れトンボ に終わるのか
実はこのラッパ 13世紀のこのクラクフを モンゴル軍が襲った時に
それを街の人々に知らせるために 吹かれたのが始まりです
ラッパの音が途中で止むのは 塔の上にいたラッパ吹きが 吹いている途中で
モンゴル兵の放った矢に 喉を射抜かれたことを忘れないためだと いいます
以来700年以上にも渡って ここクラクフでは ラッパが吹き継がれているのです
現在 聖マリア教会のラッパ吹きは 7人 
塔の上にのぼるのは 朝の7時から翌朝の7時まで
その24時間の間 ラッパ吹きは決して 塔を下りることは許されません
今もこの街の人々にとって ラッパ吹きは聖なる仕事
一時間毎に吹き鳴らされるラッパは 勇気と誇りの象徴なのでしょう
ホテルの窓を開けると 哀愁を帯びたラッパの音が聞こえてきます
そのラッパの音は 深い抒情と 壮大な歴史のロマンに溢れ
いつしか 心の奥深くに 染み込んで行くんです