松田丈志の引退に思う

松田、国体最後に引退＝競泳五輪メダル４個〔五輪〕

　先日04アテネ五輪から4大会連続出場していた競泳の松田丈志が、
岩手国体男子400ｍ自由形の出場を最後に引退するとの事。

　既に32歳だから年齢的にも潮時だろうと思うし練習環境に恵まれ
ないビニールハウスのプールからデビューして、4大会連続で五輪
出場しただけでなく08北京から3大会連続で4個のメダルを獲得した
のは素晴らしく北島康介同様に歴史に名を残すスイマーだった。

　特筆するべきはバタフライの選手でありながら自由形でも代表に
なったという事で、海外ではミヒャエル・グロスやマット・ビオン
ディにマイケル・フェルプスらがいたのに対し日本では松田が私の
知るところでは初めてだった気がする。（女子では萩原智子が背泳
ぎと自由形に出場していたが）

　特にロンドンではマイケル・フェルプスと好勝負を演じての銅
獲得は見事だったし、最後のメドレーリレーでも「康介さんを手
ぶらで帰すな」と出場メンバーに激を飛ばし銀メダルを獲得する
原動力になったわけで北島と並ぶ競泳チームのよきリーダーだった。

　さすがに4度目の出場となる今年のリオでは32歳という事で本職
の200ｍバタフライでは瀬戸大也&坂井聖人の後塵を拝して代表を
逃したが自由形のリレー要員として代表入りし、800ｍリレーで
アンカーを務め64東京五輪以来の銅メダルを獲得し有終の美を飾
れたのは嬉しい事だ。

　どうしても2歳上の北島康介の存在が大きく陰に隠れた存在では
あったものの、バタフライだけでなく自由形でも世界を勝負できる
スイマーだったわけで彼の存在なくして萩野公介や瀬戸大也らの
活躍はなかったのではないかと思える。

　ビニールハウスのプールで育った叩き上げのスイマーだっただけ
に、引退後も素晴らしい指導者になるのではないかと思うのだ。