ウルトラセブン EP１・姿なき挑戦者

　冒頭警察の検問で免許証を提示していた男が、車ごと消える
のが当時としてはショッキングな映像だったろう。
　夜の都会の中での人間蒸発シーンからして、ウルトラマンと
比べてかなり期待感を持たせる始まりだ。
　続いてウルトラ警備隊の紹介に入るが、キリヤマ隊長が38歳
で他の隊員達も隊歴と実年齢が劇中で紹介されるのはウルトラ
では珍しいのだ。
　キリヤマが上層部に呼ばれて（シナリオでは）司令室に入る
と、ヤマオカ長官以下 極東基地の首脳が集まっている。
　ヤマオカ長官が藤田進、惜しくもこの1話のみの登場だがヤナ
ガワ参謀にウルトラマンでは岩本博士を演じた平田昭彦。
　タケナカ参謀にはウルトラＱの主役・佐原健二で、マナベ参謀
が宮川洋一とそうそうたるキャスティングだ。
　そしてウルトラ警備隊のメンバー達の紹介に入るのだが、子供
の頃にフルハシを見て「アラシ隊員が何で？」と思ってしまった。
　
　パトロール中のポインターの前に突然登場する風来坊・モロボシ
ダン。
　ガスを浴びせられ消えたと思いきや、何故かポインターの上に
座っているのが今見ると違和感がある。
　ダンの活躍でクール星人の攻撃から脱出するが、乗っていたソガ
とフルハシが負傷。秘密基地に帰還するけど風来坊に機密が詰まっ
たポインターを運転させバリアやレーザーガンを撃たせるなど今
考えるとツッ込みどころ満載。
　しかも一般人は入られないウルトラ警備隊の作戦室に、風来坊を
入れるしダンの正体がセブンだったからいいようなものの、侵略者
だったらエライ事だ。
　
　ダンの提案で特殊噴霧装置を付けてウルトラホーク1号で出動。
　発進シーンもウルトラマンのジェットビートルの発進シーンと比べ
かなり凝っていてカッコいい。オペレーターの英語のナレーションを
当時覚えようと必死になった事を思い出す。
　ホーク1号は3機に分離合体できる優れもの。
　ビートルは3機編隊で使われていたが、これなら1機で済む。マンと
セブンの間にOAされていたキャプテンウルトラのシュピーゲル号の
影響だろうか？
　ただクール星人の円盤に撃墜されたホーク1号に小型円盤が迫り、
唯一正気を取り戻したダンはカプセル怪獣・ウインダムを登場させ
立ち向かわせる。
　ウインダムは3機撃墜するが、円盤の合体攻撃でピンチになったので
戻しダンはセブンに変身するが、ジャンプしてウルトラアイが目に装着
されるという唐突なシーンで最初に見たときは驚いた。

　意外にもクール星人との戦いは顔を出した星人に対し、いきなりアイ
スラッガーを投げつけて切断し終了。
　あとは捕らえられた人達を救出し、円盤を宇宙に運んでウルトラビー
ムで破壊という、地味な初登場シーンだった。
　これに匹敵するのは、ネクサスの1話で等身大のペドレオンをいきなり
アンファンスが叩き潰して終わるシーンぐらい。

　最後に今回の功績でモロボシ・ダンが新隊員になって終わるが、シナリ
オでは’あの宇宙人も味方、ダンがウルトラ警備隊6人目の隊員だから
ウルトラ警備隊7人目の隊員でウルトラセブンでどうだ’と名前を付ける
くだりがあった。
　残念ながら時間の関係で、このセリフはカットされたようだが このセリ
フが使われていたら後年ウルトラマンセブンなどという間違った言われ方
をされずに済んだのではと思う。

　このEPを息子達と見たのだが、最近のウルトラに比べ地味なEPなだけに
息子達の感想が気になったが「面白かったねぇ」と2人とも言っていた。
　なんとなくホッとしている。