鹿児島実vs東海大相模、37年ぶりの再戦決まる

東海大相模、鹿児島実が８強入り＝履正社は初の準々決勝－選抜高校野球(時事通信) - goo ニュース

　2011選抜高校野球は2回戦最終日でベスト8が出揃う日だったのだが第2
試合で鹿児島実が城南に7－2で、第3試合では東海大相模が大垣日大に
13－5で勝ってベスト8進出を決め両校が対戦する事になった。

　これは74年夏以来37年ぶりの再戦である。

　面白いのが74年夏もベスト8の第4試合で1塁側が鹿児島実、3塁側が東海大
相模だったのだが、今回もベスト8の最終試合や1塁側・3塁側まで同じなのだ。

　個人的に この対戦は私に高校野球の魅力を教え、高校野球マッドに引きずり
込んだ一戦である。

　74年は私は小5。
　ちょうど前年の73年に江川卓を擁する作新学院に柳川が立ち向かい延長15回
で1－2とサヨナラ負けしたものの、江川の無失点記録を止めた一戦で私の高校
野球好きへの扉を開けたのだ。

　そして本格的に見始めた74年でベスト8に九州勢で唯一残っていた鹿児島実を
応援するべくTVの前に陣取ったのだが、相模は初戦で土浦日大に延長16回に
サヨナラ勝ちをしているという前知識はあったものの鹿実に関しては‘定岡という
好投手がいる’という情報ぐらいしかなかった。

　1回表に鹿実は先頭打者がヒットで出塁するもののバント失敗などで無得点。
　その裏に相模は3番・園田、5番・原辰徳の2ベースであっさりと2点を先行、
しかし鹿実は直後の2回にヒットと四球で1アウト1・2塁から定岡の2ベースで追い
付くと2番・溝田のタイムリーで3－2と逆転。

　試合は両校ともランナーは出すものの得点できない展開が続き雨模様の中で
粛々と進み、このまま鹿実が逃げ切るかと思われた9回裏に相模は原辰徳のヒット
からチャンスを掴むと8番・伊東のタイムリーで追いついた。

　まるで初戦の土浦日大戦を思わせる相模の粘りだっただけに‘格上のチームが
土壇場で追い付いたら相模のサヨナラ勝ち’と思っていたのだが意外にも定岡は
粘って13回までこう着状態が続く。

　迎えた14回に鹿実は6番・柳田のタイムリーで勝ち越すと、相模も その裏に
2アウトから3ベースが出て再び追いつく。

　そして15回にノーアウト満塁から押し出し四球で挙げた1点を定岡が守りきり
5－4で優勝候補の東海大相模を下したのだった。

　この試合で本格的に高校野球に魅了され のめり込む事になったのだが、実は
この試合までNHKは教育TVでのリレー中継を行っておらず19:00で中継を打ち
切ったため抗議電話が殺到し翌年から18:00を過ぎると教育TVでリレー中継
され最後まで見る事ができるようになった。

　つまり 高校野球中継のスタイルすら変えてしまった一戦なのだ。

　面白いのが後に対戦した定岡と原はジャイアンツでチームメイトになっているし、
相模の1番を打っていた杉山は後に福工大城東の監督として4度甲子園に出場。
　04年はベスト8に進出しているが、その時に4番を打ったのが定岡の甥っ子・
定岡卓摩という面白い縁もある。

　この勝利で鹿児島実は全国区になったのだが両校の再戦はなかなか実現
せず、特に東海大相模が激戦区の神奈川という事もあって77年以来出場が
なかった。

　昨年相模が久しぶりに出場し鹿実も出場したので‘ひょっとしたら’と思わせ、
実際3回戦で鹿実が九州学院に敗れなければベスト8での対戦が実現していた
のだ。

　当時凄く残念に思っていたのだが幸いにして今年の春も両校が出場し、厳しい
組み合わせにも拘わらず ようやく対戦が実現したのだった。

　マスコミが この試合をどう取り上げるかも大いに楽しみにしたい。