20年前のボクシング全日本新人王は

　20年前の昨日は89年2月27日に行われたボクシングの全日本新人王
決勝戦が行われたのを観戦した日である。
　この頃の全日本新人王決勝は2月下旬に行われていたので、2月第4
月曜だという事で観戦に行く事ができた。

　やはり全日本新人王決勝は人気があり満員だった。

　例によって3000円のチケットを購入し席に着いた。

　重いクラスから始まるのでミドル級から。　

　面白かったのがウエルター級で東軍の須田敏弘が西日本の塩見真司を
圧倒。
　3Rにはダウンまで取って5R終了時点では一方的にリードしていた。
　塩見は渡辺二郎と同じ追手門大の日本拳法部OBらしく改造サウスポー
で、一目で分かる学ランを着た後輩の応援団達が攻め込まれる度に
‘塩見先輩ファイトです！’と絶叫していた。
　迎えた最終回の6Rの1分半ぐらいに不意に放った左ストレートから返しの
右フックがキレイに決まって須田がダウン。
　場内騒然となる中、塩見の大逆転KO勝ちとなったので当然のように
客席の後輩達は狂喜乱舞。

　私が生観戦した中で最大の大逆転勝ちだった。

　隣で観戦していた須田が所属していたSB石丸ジム会長の友人も呆然。

 　試合が進みライト級は前評判が高そうだった東軍はヨネクラジムの土田
暁だが、福岡帝拳の池田仁に一方的に攻められ大差の判定負け。
　東京に住んでいると福岡出身などというと一層応援したくなるもので、
心情的に池田を応援していたが勝った後の池田は意外にもパッとせずに
終わったのは残念だ。
　なお応援に駆けつけていた米倉会長だが、試合中は土田がインターバル
で座るイスに腰掛けていたのが印象深い。

　フェザー級は後の日本王者で2度世界挑戦した平仲明信の弟・平仲信敏
が渡辺司に前半抑えられたものの、後半に盛り返して判定勝ち。
　まさか4年後、この平仲が私の地元の筑豊ジムに移籍して来るとは思わ
なかった。

 ‘強いなぁ～’と思ったのがJバンタム級の鬼塚勝也。
　1Rから一方的に攻めまくって2度のダウンを奪うと、2Rであっさりフィニッ
シュしてしまった。
　隣のSB石丸ジム会長の友人も

‘バランスがむちゃくちゃいい、モノが違う！’

と1Rが終わった時点で驚嘆していた。

　続いてフライ級は東日本決勝で川島郭志をKOしたピュ-マ渡久地が登場
し、鬼塚同様1Rから一方的な展開で2Rにダウンを奪うと 3RでKO勝ちと
前評判にたがわぬ勝ちっぷりだった。

　敢闘賞が大逆転KOの塩見で技能賞は鬼塚、MVPは渡久地。
　ただ私的には渡久地は倒したものの相手のパンチを度々貰っていたが、
鬼塚は一発も貰う事なく倒したので鬼塚の方がMVPに相応しいのでは？
と思ったりしていた。

 　世界を獲ったのは鬼塚だけだったが、日本を獲ったのは渡久地と平仲
に全日本は不戦勝だったがJライト級の鈴木敏和がいた。
　なかなか面白い顔ぶれだったと思う。

 

 PS,この記事は本来なら昨日アップしたかったのだが、ノルディック複合の
金メダル獲得という快挙があったので今日に回した次第。