井岡一翔、惜しまれずにリングを去る

井岡が引退…28歳王座返上から2カ月足らずで早すぎる決断

 今年の大晦日にミニマムからフライ級まで3階級を制覇した井岡
一翔が引退を表明した。

 23:00からの引退発表会見はバラエティ番組の中で生中継として
行なわれたわけだが、聞くところによると質疑応答は想定問答集の
ような感じだったみたいで田口良一が熱戦の末にLフライ級タイト
ルを統一するなど好勝負の余韻をブチ壊すような形だったし会見の
視聴率は僅か2%で地方版のスポーツ紙にすら記事も載らないとい
う何のための大晦日会見かと言いたくなる代物だった。

 思えば井岡一翔がオーレドンをKOしWBCミニマム級タイトル
を奪取して初防衛戦では強敵ファン・エルナンデスの挑戦を受け判
定ながら完勝し、3度目の防衛戦でWBA王者・八重樫東との統一
戦に勝って‘適正体重’であるLフライに上げた時には某一家の悪
辣なタイトルコレクションへのアンチテーゼを含めファンは喝采を
送ったものである。

 ところがLフライ級に上げてローマン・ゴンサレスをスーパー王
者に棚上げし首尾よく2階級制覇に成功したまではよかったが、義
務付けられたロマゴンとの対戦を数百万の金を払って避けただけで
なく安易な対戦相手ばかりを選んで防衛した後に‘このクラスでは
やる事がなくなった’と返上しフライ級に上げた事から一気に評価は
暴落。

 フライ級ではファン・カルロス・レベコからタイトルを奪取した
もののスーパー王者フランシスコ・エストラーダの存在をひた隠し
格下相手の防衛戦を重ね、デビュー当初やLフライ級を取った頃に
語っていた5階級制覇という目標をあっさり放棄して‘3階級制覇
でモチベーションが切れた’という引退会見での言い草には呆れて
物が言えない。

 これが某一家のような作られた王者ではなく上手く育てれば5階
級制覇も夢ではないぐらいの才能を持っていたしミニマム級時代に
片鱗を見せていたので、ファンは余計に裏切られた感が強いし‘艱
難辛苦汝を珠にせん’の逆を行ったのではないかと思わせるキャリア
だった。

 最近の日本ボクシング界は世界王者が続々と生まれておりWBA
ミドル級王者になった村田諒太は‘自分よりも強い王者はいくらで
もいるので彼らに負けないように頑張りたい’と語っているし、30
日に7度目の防衛に圧勝して成功したものの終始不機嫌な表情で
更なる強敵との対戦を熱望した井上尚弥らに負けない才能を持ち
ながら安易なマッチメークによって才能を錆付かせてしまったと
いう典型的な例だろう。

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