昨日WOWOWでモスラがOAされていたので33年ぶりぐらいに
見る事にした。
モスラは61年作品なので生まれる前の作品だし不思議とTVでは
モスラ対ゴジラはOAされても単独のモスラは見る機会がなく、84
年の盆休みにレンタルビデオで初めて見た後は翌85年にテアトル
西新の東宝特撮作品特集でキングコング対ゴジラとの同時上映で見
たのを覚えている。
この2作品が同時上映された事について思うのはモスラが61年で
キングコング対ゴジラが62年と続いているのだが、キングコング対
ゴジラ以前の怪獣同士の対戦作品は55年のゴジラの逆襲でゴジラが
アンギラスと戦ったのみなのに対しモスラ以降の単独怪獣映画は2年
後の宇宙大怪獣ドゴラのみ。
つまり東宝の怪獣映画が単独作品から怪獣対決ものにシフトして
行く過渡期という事になるのだが、他の単独怪獣映画にない要素が
モスラにはある。
まずジェリー伊藤演じる悪徳興行師クラーク・ネルソンの存在で、
それまでの怪獣映画は怪獣が脅威だったため基本的に悪人は登場し
なかったのだがモスラとのつながりのあるザ・ピーナッツ演じる小
美人を見世物にする悪人として登場する。
次にインファント島の原住民達が初めて登場する作品で以前は大
怪獣バランで岩屋地区の住人達がバランを婆羅陀魏山神として崇拝
していたぐらいだったのが、以後キングコング対ゴジラやモスラ対
ゴジラに南海の大決闘や決戦南海の大怪獣などで登場するものの徐
々に人数が減っていたのに対してモスラでは日劇ダンシングチーム
などが扮しているわけで凄い人数だった。
そして初めて成虫化したモスラがネルソンの母国ロリシカの首都
ニューカークシティを襲撃するわけで、これは架空とはいえ海外の
主要都市を襲撃した初めての怪獣という事になり怪獣総進撃などで
使われる要素だ。
またフランキー堺が主役で香川京子がヒロインという怪獣映画は
唯一だし、ゴジラの逆襲で主役を演じた小泉博が言語学者・中條伸
一郎役だったがモスラ対ゴジラや三大怪獣地球最大の決戦までザ・
ピーナッツと共演し平成のゴジラ×モスラ×メカゴジラにまで出演
するとは思わなかった。
そういう意味でモスラは以後の怪獣映画で使われる要素のスター
トとなった画期的な作品といえるだろう。