ウルトラマンネクサスのノスフェル編のラストで孤門は恋人・
斎田リコの死を受け入れ、ノスフェルから追い詰められたナイト
レーダーの隊員達を救うために駆け付けると腕を負傷してディバ
イトランチャーを使えなくなった和倉隊長に代わりノスフェルの
口の中にある再生器官を破壊する。
その時に孤門が言ったセリフが‘僕はもう逃げない、憎しみも
悲しみも全て背負っていく!これ以上 誰かを不幸にしないため
に!’
溝呂木眞也の陰謀でビーストに対する憎しみから山邑理子を殺
しかけた事によるトラウマを乗り越え、憎しみではなく誰かを守
るために戦う事を決意するわけだ。
このシチュエーションは荒野の少年イサムで主役のイサムが育
ての親であるアウトローのウィンゲート一家の陰謀で決闘をさせ
られ、相手を射殺したトラウマから銃を捨てる事を決意するもの
の立ち寄った孤児院がならず者のパブロ一家に子供達がいたぶら
れるのを見たイサムは一家を射殺する。
またしても人を殺した事で罪の意識に苛まれるのだが孤児院の
先生から‘銃は使う人の心次第で神の道具にも悪魔の道具にもな
る’と言われ正義のために銃を使う事を誓うシーンを思い出した。
これまでのウルトラでは防衛チームの隊員が敵を撃つ時にミス
をして、それがトラウマになって撃てなくなるという作品は個人
的に記憶がなく強いて上げるとミラーマンの村上SGMチーフが
警視庁の刑事時代のトラウマを持つEPがあるぐらい。
だから主役の孤門が新人隊員という事でナイトレーダーの任務
に疑問を呈しながら従っていた中で、怒りに任せた判断ミスとい
うのは面白いテーマだろう。
その克服が ここまでカタルシス溢れる冒頭のセリフにつながる
のだ。