最短キャリア世界王者を目指すならば・・・

 先日アマチュア7冠を達成した高校生・井上尚弥がプロに転向し大橋ジムから
デビューする事が報じられ、ジム側は井岡一翔が達成したプロ入り7戦目を超
える6戦目での世界タイトル奪取をブチ上げたと報道されている。

 井上はライトフライ級ででありながら相手を倒しまくるほどのパンチ力を誇り
09年からインターハイや国体で何度も優勝して世界選手権でベスト16入り

しているほどの選手。

 それを考えると大橋会長が‘井岡以上’と絶賛するのは分かるが、どうも違和
感がある。


 井岡の時にも感じた事だが、なぜ日本のボクシング界は‘最短キャリア世界
王者’に拘るのか?だ。

 最短キャリアで世界を奪取すれば国内では話題にはなるものの、その代償と
して あらゆるタイプの相手との実戦経験を積む事なく奪取しても防衛戦では
悪く言えば‘出たとこ勝負’的な形になる。

 辰吉丈一郎は4戦目で日本タイトルを奪取すると6戦目で世界ランカーのアブ
ハム・トーレスと戦うものの手こずって幸運な引き分けで、1階級下の世界ラン
カーに完勝しての世界挑戦だったが奪取した後に眼疾を患いブランク明けに変則
ファイターのビクトル・ラバナレスから敗れている。

 その後もダニエル・サラゴサにも勝てなかったように変則タイプとは相性が悪く、
優れた才能を100%発揮できずにキャリアを終えたのだった。


 また同じく8戦目で世界を取った名城信男も2度世界王者になっているものの
短命王者で終わっているのを見ても西岡利晃のような歴史に名を残すほどは伸
びはない。

 とりあえず井岡一翔は抜群のセンスでミニマム級を卒業したが正直言って世界
レベルの強敵と思われたのは初防衛戦のファン・エルナンデスぐらいで、判定でも
完勝したからこそ個人的には評価しているが本当の評価は引退した時なので成功
かどうかは保留していたい。

 しかも大橋ジムの生んだ世界王者は川嶋勝重や八重樫東と世界戦では激闘
型の
試合ばかりやっていた感じなので消耗が激しいと思うし、この2人に2度世界
挑戦して敗れている細野悟も同じ内容の試合ばかりやっているのでラウンド
マス
トシステムでは勝ちづらいスタイルだ。

 最短キャリアでの世界奪取を目指す理由が‘弱い奴とは一切やりたくない’と
いうものだから頼もしいが、少なくとも日本王者&東洋王者クラスに完勝しての
世界挑戦でなければ某兄弟のせいで‘幸運な相手に挑戦できた’という評価しか
されないと思うのだ。 

 そういう意味では世界戦までの5試合を いかに密度の濃い相手と戦って完勝
するかという事になるし、ジムの先輩方のような‘KOしないと勝てないスタイル’
や‘世界戦になると肉を切らせて骨を絶つ激闘型’のスタイルには絶対になって
欲しくないものだ。

コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
細野も岡田も (Unknown)
2012-07-04 22:37:28
大橋会長と同じ動きでしょ
足使わないし、上いきゃ倒れてくれないし、
教えるほうにも?
 
 
 
師匠に似るという事でしょうか (こーじ)
2012-07-05 22:36:01
>Unknown様
 トレーナーの松本好ニに期待していたのですけど、
どうやらダメっぽいですね。

 師匠はジム開設の時に‘右一発のみで倒す選手は作りません’と言っていたのに・・・・
 
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