才能を錆付かせないためには

 昨年も書いたのだが、30年前の今日は北九州総合体育館で
行われたWBC世界Jフェザー級タイトルマッチで王者のウイル
フレッド・ゴメスが元王者のロイヤル小林を3RでKOした日だ。
 2年続けて同じ選手の名前を出すのも芸がないが、今回の
お題は才能を錆付かせた例。

  ウイルフレッド・ゴメスは、コチラで記されているようにデビュー
戦で引き分けた後 小林戦まで18戦17勝全KO勝ち。
 その年の10月にはバンタムの名王者だったカルロス・サラテを
5RKOするなど全盛期を迎えた。
 ところが途中から、Jフェザーでは体重がきつくなったうえ相手が
いなくなってきたのに階級を上げず、ようやく81年に一旦フェザー級
タイトルに挑戦したものの、サルバドール・サンチェスに8RでKOされた。
 結局82年12月に17回目の防衛に成功した後、フェザー級に再挑戦
して判定勝ちし2階級制覇。
 ただし9ヵ月後の初防衛戦でKO負けすると、85年の5月にJライト
級に挑戦して判定勝ちして3階級制覇したものの1年後の初防衛戦で
KO負け。Jフェザー級時代の輝きは戻らなかった。
 つまりJフェザー級で格下相手をKOし続けたものの、才能を浪費
してしまったといえる。

 考えてみると、日本が誇る具志堅用高もJフライ級の最多防衛記録の
V12を達成した途端に精彩を欠き14回目の防衛戦で失敗し引退している。
 徳山昌守もアレクサンドル・ムニョスとの統一戦が流れ、モチベーション
喪失という形で川嶋勝重に1RKO負けし王座陥落した。
 そういう前例があるからか、最近の名王者といわれる選手達は二桁
防衛よりも対戦するのに値する相手ばかりと戦い 相手がいなくなると
王座を返上して上の階級の相手と戦うケースが多い。

 野球でも世界のホームラン王である王貞治は‘通算756本打った時点で
ガックリきた。ハンク・アーロンが1000本打ってくれていたら俺も1000本
以上打てたけど’と言ったのを思い出す。

 マラソンランナーで、中山竹通やポーラ・ラドクリフのようにスタート
からハイペースで飛ばすタイプはレースがスローペースになって集団に
巻き込まれると意外に脆い。
 スローペースはスピードランナーをダメにする。

 それと一緒で才能を錆付かせないためには、常に1ランク上のレベルを
目指さないとダメだというのが、よく分かるではないか。

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