今日の18:30からBS日テレで待ち伏せという映画がOAされていた
ので見てみると三船敏郎を筆頭に勝新太郎、萬屋錦之助や石原
裕次郎の4大スター+浅丘ルリ子が出演している豪華版だった。
この作品については全く予備知識がなかったのだが三船敏郎が
東宝で勝新太郎が大映、萬屋錦之助は東映で石原裕次郎と浅丘ルリ
子は日活というオールスター作品という事になるのだが松竹のスタ
ーが出演してないというのが大いに残念だった。
オールスター作品になると金をかけた大作になりがちなのだが、
三州峠の茶屋・みの屋を舞台にした地味な密室劇という内容。
三船敏郎が椿三十郎を髣髴させる浪人・鎬刀三郎で勝新太郎は
物語の黒幕で元医者ではあるものの盗賊の頭・玄哲。
石原裕次郎は渡世人・弥太郎で萬屋錦之助は木っ端役人の伊吹
兵馬という意外な役だったが みの屋の主人・徳兵衛を有島一郎、
伊太八を土屋義男といった東宝作品ではお馴染みの俳優が演じて
いる。
こういうスター達が閉鎖空間で物語の大半を過ごすというのは
名探偵登場などの作品でよく見るパターンで、サスペンス溢れる
わけだが最終的に浪人と玄哲は同じ謎の侍・鴉からの指令で みの
屋に来たという設定だ。
伊吹兵馬が骨折などの大ケガを負いながら連れてきた盗賊を奪回
するためにニセ役人が現れ、これらを浪人や弥太郎が見破って追い
払った後に‘今の奴ら今度は多勢で乗り込んで来るから、すぐに逃
げたほうがいい’と浪人が言うので茶屋を舞台にしたバトルシーン
を期待したのだが浪人と弥太郎が逃げ出しただけで玄哲が盗賊の
首領だったという意外な展開で派手な斬り合いは殆どなし。
アクションや殺陣は罠に嵌った玄哲の捕り手相手のアクションと
同じく浪人の捕り手相手のアクションに最後の鴉一味との殺陣ぐら
いで、石原裕次郎はまだしも萬屋錦之助の殺陣が見られないという
のは大いに残念だった。
意外な どんでん返しの連続で萬屋錦之助の他の作品では見られ
ないキャラを演じるなどの見どころはあるものの、石原裕次郎の
キャラなら別の俳優でもよかったのではと思える次第。
やはり主役級を4人揃えると豪華というより相殺してしまう感じ
だったから、三船敏郎と勝新太郎の2人で十分だったのではと思う
のだ。