ウルトラマンネクサスの防衛チーム・ナイトレーダーの特徴は、
隊長が全権を握って指揮しているわけではないという事だろう。
防衛組織・TLTの中の戦闘チームという位置付けで作戦を立てる
のはCICといわれる中央司令室にいる吉良沢 優イラストレーターが
立てた作戦を手足となって実行するという形になるため、作戦行動
中もCICと連絡を取り合って行動するという他の円谷作品に登場する
防衛チームとは異色な存在になっている。
このスタイルのいいところは作戦を立てるイラストレーターが離
れた場所にいるので大局的な位置から指揮できるし、作戦行動中の
隊員の後ろにいる敵などにも気付いて警告を与える事ができる。
だから複数の敵との戦いとなった対ペドレオン戦などでは有効で
イラストレーターが交戦中に敵の構造などを分析して的確な指示を
送る事ができるわけだし、何といっても死傷者が出るリスクの高い
地上での接近戦では特に有効だった。
こういうシステムでは隊長の作戦立案力などは必要なさそうだが
バグバズン編のようにCICとの通信が不調になると本来なら大変な
事になるものの、ここで隊長の度量が試されるわけでイラストレー
ターの作った作戦を自らの考えで取捨選択する必要がある。
隊長自ら立てた作戦ならば取捨選択もしやすいだろうが他人の
立てた作戦を使いこなすというのは難しいので、そこらあたりも
和倉隊長が有能だと実感するのだった。