八百長問題の不祥事で2場所続けて本場所を開催できない大相撲だが その
代替えとして5月8日から両国国技館で技量審査場所が行われている。
NHKのTV中継もなく影が薄いというネガティブなイメージがあるものの、逆境
の時こそ建て直しへのヒントがあると思っていたのだが注目したのが客の入り。
2日目など平日ながら7割埋まっていたのだ。
最近の傾向として平日の開催は不入りが当たり前の昨今だが無料のチケット
で入場した観客が多いとはいえ大相撲自体に関心が残っている証拠だろう。
基本的に伝統を重んじる角界の興行は‘一見さんお断り’の姿勢で贔屓すじを
中心にした従来の客層を大事にし過ぎるあまり、一般の観客にとってはその
基準が他のスポーツに対し敷居が高い存在になっていたのは事実。
一般の観客にとって平日や週末に拘わらず18:00で打ち出しというスケジュ
ールでは景気のいい時ならまだしも、最近のようなご時勢に観戦したくても
できない人達の方が多いのではないか。
にも拘わらず角界は これまで贔屓筋の方ばかりを向いての商売をしていた
だけに、慣例ばかりに執着し世間一般の感覚には無頓着だったのだ。
観客が贔屓筋ばかりなら星の貸し借りを露骨に行っても大目に見るムードが
あるだろうが、一般客が増えれば怪しげな取り口にはブーイングが上がるだろう。
つまり一般客の割合を増やすのが無気力相撲撲滅には効果的なのではない
だろうか。
週末や祝日と平日の入場料に差を付けたりするなどの工夫をすれば これまで
よりも観客は増えるのは確実だと思うのだ。
技量審査場所の観客が本場所よりも多いという事は相撲ファンのは大相撲を
見捨ててないし、角界の自浄能力があるか大いに関心を持っている証拠だろう。
それを考えれば今回の不祥事から しっかりとした改革ができれば災い転じて福
という事になるし、旧態然とした状況なら今度こそ一般のファンから見放されるに
違いない。