蒲田行きが、決まった日

　20年前の今日は、私の東京で働く店が中野区の沼袋から
大田区の蒲田に変更されたのを知らされた日である。
　私は高校卒業後に、福岡市内で父の兄弟子が やっている
店で修行していた。
　ただウチは祖父の代からの営業だが、祖父は東京で働いて
いたので東京系の仕事だ。
　一方、私が働いていた福岡の店の師匠は大阪で修行していた
ので 大阪系の仕事を習う事になっていた。
　どちらの仕事にも、お互いに一長一短ある。

　福岡の店で、契約の6年を働き終わって帰っても まだ祖父と
職人さんが健在で働いていた。
　一旦 実家に戻って働き始めると、再び出るのは難しい。
　そこで‘どうせなら東京の仕事を勉強したい’と思っていたので、
父が通っているdhk北九州の役員の先生方に相談すると東京本部の
先生の店を紹介してもらえる事になった。
　そして‘沼袋のW林先生の店が、いいだろう’という事で 4月から
入店する予定だったのだが・・・・・。

 　ちょうど20年前の今日、紹介してくれた北九州支局の初代支局長の
O先生から‘勤め先が変更になった’という電話があった。
　というのが‘4月から技術者が3人いなくなるので、技術者を募集中’
という連絡が、蒲田のN本先生からO先生宅に来たらしい。
　W林先生の店のスタッフは、それなりに揃っていたらしいので‘ならば
蒲田のN本先生の店に’という事に急遽決まったのである。

　これが、蒲田の師匠・N本先生との出会いだった。
　その後W林先生とも親しくなったが、熱血漢で熱い素晴らしい先生
だった。
　ただ私にとって蒲田という街やN本先生にスタッフ達は、最高に相性が
よかったのも事実。

　やはり‘蒲田に縁があった’という事だろう。

　あれから30年経った、今でも昨日のように感じるのだが・・・・・・