元日本ミドル級王者・大和田正春の引退式に行った

 今から20年前の今日、88年6月20日は元日本ミドル級王者・大和田正春
の引退式が行われた日である。
 大和田正春はサウスポーの強打者でJライト級でデビューし、 6階級上
げてミドル級で日本王者になっている。
 強打者の反面 顎が弱く打たれモロかったので、デビュー戦から連敗スター
トし84年終了時点で17戦8勝(7KO)8敗(4KO)1分。
 85年2月に世界挑戦の決まっていた赤井英和と対戦し、壮絶な打ち合いの
末7Rに左ストレートを打ち込んでKO。
 試合後、赤井は脳挫傷で手術を受け引退に追い込まれた。

 その後ミドル級に上げた大和田は86年8月に無限川坂に判定勝ちし、
日本王者になると5度の防衛に成功したが網膜はく離を患い引退となった。

 因みに初防衛戦の相手だった丸尾正は福岡時代の お客さんだったし、
最後の防衛戦の相手・大和武士は3ヵ月後に日本王者になって引退後は
赤井同様 俳優で成功している。

  5月に続いて第3月曜にボクシング観戦に行ったら、たまたま大和田の
引退式が行われるのが分かったので‘ラッキー’と思った。
 当日 後楽園ホールに行くエレベーターに乗ると、同じ箱には

‘いかにもボクサーです’という体形の男がいた。

‘それにしても試合前から顔にワセリンを塗って・・・・’

と思っていたら・・・・・・・・なんと片岡鶴太郎ではないか!

 当時、鶴太郎は‘脂ぎった男’というイメージがあったが 本当に顔がテカ
テカしていたのには驚いた。
 隣にいた女の子が気付いて

‘あのぉ~鶴太郎さんですよね、サインしていただけませんか?’

と声をかけると

‘申し訳ありません、ここでサインをすると周りに迷惑を

かけますから’

とピシャリと断ったのが印象的だった。

 入場すると、入り口の所に大和田本人が座っていたので‘長い間、お疲れ
様でした。これからも頑張ってください’と言うと、

‘ありがとうございます’

と言って力強く握手してくれた。

 前座の最後にプロ入り2戦目の鬼塚勝也が登場したのだが、何とセコ
ンドに鶴太郎がいたのだ。
‘何で2戦目のグリーンボーイのセコンドに鶴太郎が付いているのか?’と
思っていたが、プロフィールで‘福岡県北九州市出身’と聞いて‘これは
応援しないと’と思った。
 やはり東京に住んでいると同郷の者を応援したくなる。
 試合は鬼塚が、素晴らしい内容で2RKO勝ち。 

 その後、大和田の引退式に入る。
 挨拶の後に、照明を落として恒例のテンカウントが厳かな雰囲気の中で
行われた。
 偶然とはいえ、名ボクサーの引退に立ち会えたのはラッキーだった。

 メインは世界ランカーだった小林智昭が、韓国ランカーの田泰相を手こ
ずりながらも9RでTKOして世界挑戦の前哨戦を飾った。
 だが小林は翌年の2月に韓国でWBAバンタム級王者の文成吉に挑戦し
5RでTKO負けして そのまま引退。
 引退後にスポーツライターに転向したが、取材中に事故で亡くなっている。

  こうして振り返ってみると、

20年の時の流れを感じる。  

コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
大和田・・・ (ある)
2008-06-22 01:12:00
長身の丸尾正、いつも短髪刈り上げ(GIカット風?)に すっきりキメていた印象あったのですが。

あれは、こーじさんのお店でのモノでしたか・・・。
なんか、
物凄く感慨深いです・・・。

同内容の書き込みを当方のBBSに頂きまして
(いつも感謝です)
ついレスにて凄まじい長文をやらかしてしまいました。

久々の長文ですが、「大和田正春と言う選手は、それくらい思い出深いボクサーだった」って事で・・・。
 
 
 
こちらこそ、複数レスありがとうございます (こーじ)
2008-06-23 00:32:12
>ある様
 丸尾正は最初ボクサーとは分からなかったのですが、偶然西部地区のコミッションのお客さんが一緒になって正体?が分かったのです。
 すごく大人しく無口な方でしたが、肩などを揉んでいたら筋肉がゴムマリのように弾力があったのが印象的でした。
 かなりのクセ毛でしたよ。

 もっとも協栄ジムにもJバンタム級の丸尾忠司という
ボクサーがいましたね。
 間違えられやすかったようです。
 
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