アイロン仕上げをしたおかげで頭皮にニキビができる？

　先日7時半の男をはじめとした福岡での修業時代のネタを上げたが
他にも常連さんである、 ご隠居さんが不思議な事を主張していた。

　このご隠居さんは町内の区長さんを務めてくれており10日から2週
間のインターバルで来店され、必ず最後に七三分けの髪型をアイロン
仕上げをしスプレーで固めるピシッとして帰るのが定番だった。

　それがある日 師匠が仕上げに入ってアイロン仕上げを始めようとし
たら‘今日はアイロン仕上げはしないでくれ’と言い始めたので驚いてい
たら、ご隠居さんが言うには頭にニキビのようなものができているの
はアイロン仕上げをしているから的な事を言い始めたのだから驚いた。

　そもそもアイロン仕上げする時に、頭皮にニキビのようなできもの
ができるのか？と不思議に思っていた。

　そこで仕方なく固形油であるチックをベタ付けしての仕上げをする
ハメになったのだが、このやり方を続けていると頭皮のニキビは治る
どころか更に酷くなったのだ。

　みんな当たり前ではないか’と考えていたのだが、謎が解けたのは
ご隠居さんの奥さん。

　実はこのご隠居さんの奥さんも来店されていたのだが短い髪型が
好みで美容室に行くと思い切って短くしてくれと言っても、なかな
か一気に短くできないためスポーツ刈りのような髪型は理容店の方
が上手いと考えウチに来店していたのだ。

　その奥さんが言うには‘いやぁ～やはりこういう髪型はいい、私は
毎日のように頭を洗いたいので冬場は台所のシンクで頭を洗うけど
ダンナは髪を切りに行った時にしか洗わんのよとの事。

　つまりご隠居さんは自分で頭を洗うと店で仕上げたような髪型を
自分でできないので、カットとカットのインターバルでは頭を洗わ
ずカットに来た時にしっかり洗ってもらおうと持っていたのだろう。

　だからこそ固形脂のチック仕上げは逆効果だったわけで結局それ
から更に頭皮のニキビは治らずに、最後は奥さん同様にスポーツ刈
りを始めるも今度は長年七三分けをしていた分け口部分に変なクセ
が付いてしまいカットする師匠はイライラしながらカットしていた
のを思い出す。