全日本柔道選手権の思い出

 明日は4月29日で旧天皇誕生日である。
 この日の恒例イベントが全日本柔道選手権、いわゆる天皇
杯だ。
 他の大会と違うのが無差別での大会だから90年の古賀稔彦
のように71㌔級の選手が参加して決勝まで勝ち進んだりした
事もある。
 また国際試合と違って‘効果ポイント’を取らないため、意外
な結果になったりする事もあるのだ。 
 最も印象的だったのが85年で、84ロス五輪無差別級で優勝
した山下泰裕が現役最後に出場した大会となったのだ。
 ロス五輪で痛めた左足の傷も癒え順当に決勝まで勝ち進み
対戦したのが斎藤仁、これまで山下には1度も勝った事がない
斎藤だったが83年世界選手権無差別級と84ロス五輪95㌔超級
で優勝。特にロス五輪では外国の有力候補が山下の出場する
無差別級を避けて95㌔超級に固まった中での優勝だったので
かなりの自信をつけている。
 いざ試合が始まると斎藤が、これまでの鬱憤を晴らすかの
ように山下を攻めまくり山下は防戦一方になる。
 ‘これは山下危うし’と思いながら見ていたら案の定、山
下が尻餅をついた。場内がドッと沸き‘効果か?’と思われ
た、確かに国際試合では‘効果’ポイントだが天皇杯では‘有
効’からしか取らないのでポイント無しだ。
 ただこれで一気に斎藤に勢いづくかと思われたがこれまで
1度も山下に勝った事のない斎藤はこれで勝ちを意識し守りに
入ってしまったのだ。
 一方で山下は事実上の効果ポイントを奪われていたため、こ
のままでは負けるという事でこれを境に攻勢に出た。
 両者ポイントが奪えず旗判定に持ち込まれたが、結局終盤の
山下の攻勢がモノを言って山下の優勝が決まったのだ。
 国際試合では‘効果’ポイントを取るので斎藤の勝ちになる
のだが講道館ルールでは‘効果’ポイントを取らないというのが
勝敗のアヤになったのだ。
 今年は井上康生や鈴木桂治、03年世界選手権100㌔超級優勝の
棟田康幸、前回優勝の石井慧や05年90㌔級優勝の泉浩など実力者
が揃っているのでかなり楽しみだ。
コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
覚えています (柴田真紀)
2007-04-29 01:21:23
 あのときの天皇杯。
 斎藤自身は勝ったつもりでガッツポーズをとっていたのですよね。
 それが旗判定で負けたんで、愕然としてました。

 彼にとっては不本意だったでしょうが、あれが結果的にソウル五輪のあの涙の勝利へつながったと思いますから、結果オーライではないかと。

 そういえば、山下氏が引退したとき、
「エベレストは登頂したのに、富士山は登頂できなかった……」
 とコメントしていたのも印象的でした。
 
 
 
書き込み御礼&レス (こーじ)
2007-04-29 23:31:11
>柴田真紀様
 ‘富士山~’のコメントは有名でした。
 世界一になるより日本一になれなかったというのは珍しい現象ですよね。
 でもソウルで連覇を果たしたりと斎藤は山下に負けない
実績を残しています。
 
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