悲しき天才科学者

 昨日レビューしたウルトラセブンの‘ひとりぼっちの地球人’
では天才科学者・一宮の悲劇を描いていた。
 基本的にヒーローものでは、こういった天才科学者の悲劇は
よく使われるテーマである。
 帰ってきたウルトラマンの郷秀樹がウルトラマンの力を持った
ばかりに、MATの隊員達との間に軋轢を生んでいるように優れた
力を持った科学者は周りが付いて来れずに軋轢を生む。
 天才科学者というのは基本的に純粋すぎるタイプだから、スト
レスをためて心の闇に支配されやすい。
 そこに忍び寄るのが侵略者。
 言葉巧みに近寄って来た侵略者から利用されてしまうという形だ。

  代表的なキャラが‘地球防衛軍’の白石亮一。

 純粋な科学信仰の果てに優れた科学力を持った侵略者・ミステリアン
に利用されてしまう。
‘たかだか半径3㌔の土地ぐらい’と地球人を説得しようとするが、結局
ミステリアンから騙されていた事を知って囚われていた主役の渥美譲次
や女達を助けた後にミステリアン要塞を内部から破壊して運命を共に
する。

  もう1人が‘メカゴジラの逆襲’の真船博士

 恐竜の生存を発表し自ら開発した装置で恐竜を自由に操る事ができる
と発表して学会から追われ、一人娘と暮らしていた。
 ところが実験中の事故で娘は瀕死の重傷を負い、ブラックホール第3
惑星人に助けられる。
 そしてブラックホール第3惑星人と博士の目的は、ほぼ一緒という説得
を受け、地球侵略に手を貸す事になってしまう。 

 いずれのキャラも、演じたのは故・平田昭彦。


 やはり独特のムードが醸し出されている。 

 人間が飽くなき進化を求める限り、こういった天才科学者の悲劇も繰り
返されるのかもしれない。

コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
もう一人 (NEXUS(偽))
2008-04-23 21:01:39
悲しき天才科学者といえばもう一人、ゴジラを倒した唯一つの兵器「オキシジェン・デストロイヤー」を作り出した芹沢博士もまた、自らの生み出した悪魔の発明の復活を避ける為に自らを犠牲にしましたね。
また、ある意味ではイーヴィルティガに変身したマサキ・ケイゴも。彼は死んでいないしどちらかと言うと悪の道に走ってしまいましたが。
映画「スパイダーマン」の中に「大いなる力には大いなる責任が伴う」と言う台詞が出てくるのですが、何もそれはヒーローに限った事ではなく、それ以上に強力な兵器を作り出す科学者に降りかかってくるのかなと、そう思います。
 
 
 
なるほど (こーじ)
2008-04-23 23:59:13
>NEXUS(偽)様
 最初にタイトルを見たときにはマサキ・ケイゴかなとは思ってましたが、芹沢博士ですね。
 ただ記さなかった理由として、侵略者に利用されてないというのがありました。
 平成ウルトラでも‘大いなる力は使うものを試す’というようなセリフがありましたよね。
‘どんな優れた科学でも、使い方を誤ったら悲惨だ。
地球人はミステリアンの悲劇を繰り返すな’と白石亮一は最後に言います。
 それと同じテーマですね。
 
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