30年前の日本ボクシング界は・・・

 昭和の末期からTV朝日ではプレステージという番組がOAされ
ていたのだが、その中で30年前の今頃ボクシングの世界戦連敗に
ついて討論されていた。

 当時の日本ボクシング界は88年11月に井岡弘樹がナパ・キャ
ットワンチャイに敗れて世界王者が不在だったばかりか、挑戦も
88年1月に六車卓也がウィルフレド・バスケス相手に引き分けて
以来挑戦失敗中で最終的に90年2月に大橋秀行が崔漸煥に勝って
WBCストロー級タイトルを奪取するまで21連続失敗というどん底
時代。

 89年の7月を迎えた時点で6月に井岡がナパとのリターンマッチ
に敗れて15連敗&16連続失敗となっており、この番組にファイテ
ィング原田やガッツ石松を迎えて‘なぜ弱い日本のボクシング’とい
う題で討論が行われたのだ。

 そんな中でボクシング協会の原田氏が‘以前なら世界挑戦するな
ら世界ランカーを何人か倒さないといけなかったのだが、こうい
う選手を呼ぶには世界戦並みの経費がかかるから特に王者側から
オファーが来た場合は受ける形になって世界挑戦という事になる’
という事情を説明していた。

 そして‘負けた中に若く有望な選手がいるので今回の敗戦をいい
糧にして次回以降がんばってもらいたい’的なコメントをしていた
のを思い出すし、冷静に見ているなと驚いたものだった。

 とかく世界戦で負けが込んで世界王者が不在になるとマスコミ
から煽られてオロオロするケースが多々あるのだが、原田氏は1
月に白井義男氏が‘何事も浮き沈みがあるし今は低迷期だから、
もう少し我慢すれば世界王者を5人抱えても不思議ではない’と
私に説明してくれたのと似たような内容のコメントをしてくれ
妙に納得した気がした。

 確かに最終的に21連続失敗というワースト記録を打ち立てたわ
けだが18人の挑戦者のうち大橋秀行を筆頭に井岡弘樹、レパード
玉熊に平仲明信や畑中清嗣ら5人が世界王者になっているのだから
原田氏のコメントが決してウソではないというのが分かる。

 もっとも原田氏は番組中‘海外のスーパーファイトは比べられる
と辛いので、なるべく放送しないで欲しい’などと恐ろしく内向き
のコメントをしたのには驚いたしガッカリしたのだが…

 あれから30年経ち今や世界のスーパースターになっている井上
尚弥や、4階級制覇した井岡一翔ら凄い選手が輩出され7人もの世
界王者を抱える日が来るとは30年前は考えもつかなかったのだ。

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