今から40年前の今日77年9月4日に行われたのが和製ヘビー級
コング斉藤の凱旋試合。
アメリカで5連続KO勝ちを収め‘モハメド・アリへの挑戦も’と
報じられた斉藤が日本でヘビー級の試合を行なうという事で話題を集
め、既に世界戦しかOAしてなかったTBSが生中継するなど大いに
盛り上がりを見せていた。
77年はシルベスタ・スタローン主演のロッキーが公開された年で
無名のチャレンジャーが無敗の世界王者に挑むという内容だった事
から、それを受けて斉藤は‘和製ロッキー'などと言われていたのだ。
ところが肝心の対戦相手ストーニー・ランドは相撲取りのような
体型の噛ませ犬系で、実際に試合が始まると戦意のかけらも見せず
2Rでギブアップするという何とも消化不良の内容に観客はどっちら
けだったし解説をした郡司信夫氏も‘コング斉藤の試合は2度と解説
しない'と怒り心頭だった。
ちなみに斉藤はアメリカで2連続KO勝ちをしたものの78年に再
来日してミドル級4位の長岡俊彦と対戦し2RでKO負けすると、い
つの間にフェードアウトしてしまったのだ。
当時ジョー小泉氏は‘時間はかかるだろうが相撲や野球に劣らぬス
カウト網を敷きヘビー級ボクサーを養成するべきで、まず日本人の体
型で世界ミドル級王者になれる人材を出そう'と専門誌で語っていた。
あれから40年経ちコング斉藤の試合から18年後に竹原慎二が世界
ミドル級王者になると35年後に村田諒太がロンドン五輪のミドル級
で金メダリストになるという快挙を演じている反面、ヘビー級に関し
ては西島洋介山がアメリカで一時期話題に上った程度に終わっている。