冷酷な男を演じたらピカイチの成瀬昌彦

 ウルトラセブン43話・第四惑星の悪夢で、最もインパクトが強
かったキャラは第四惑星のロボット長官というのは衆目の一致する
ところ。

 何せ冷徹を絵に描いたようなキャラでコーヒーの味がデータと異
なるだけで激怒しコーヒーを淹れた秘書・アリーを殴打するなどの
仕打ちは驚愕もので、一方では高等部のフタを開けて頭部に詰まっ
ている機械に油を指してメンテナンスをするなどのシーンも印象的
だった。

 このロボット長官を演じたのは成瀬昌彦でセブンではプロテ星人
編での星人の人間体を演じて以来、2度目の出演となる。

 プロテ星人の人間体・丹羽教授の時も冷徹な感じで星人の裏切り
に愕然とする一の宮を尻目に‘君があれほど軽蔑していた地球だ、
どうなろうと知ったことではないだろう’‘あれほど地球を脱出した
がっていた男が今度は その地球を命がけで守ろうというのか、地球
人というのは全く分からん生物だ’‘君の能力は私も欲しいとは思う
が…やむを得んな’などというセリフは凄みがあった。

 だから帰ってきたウルトラマンでナックル星人の人間体を演じて
郷秀樹の恋人を拉致・殺害しただけでなく、兄の坂田健をも轢殺す
るという非情な犯行を平然と行える雰囲気はセブンのプロテ星人編
やロボット長官の頃からあったのだろう。

 余談ながら成瀬氏は特撮系では59年の月光仮面から始まって遊星
王子やキャプテンウルトラにも出演し、円谷作品では他にも戦えマ
イティジャックにも登場しているのだが欲を言えば怪奇大作戦の氷
の死刑台あたりで見てみたかった気もする。

 また意外なのは58年の点と線で最初に心中死体として発見される
佐山憲一を演じている。

 ちなみに点と線には主役の1人・三原刑事をクラタ隊長の南広が
演じているのをはじめ犯人の安田辰郎をTACの高倉司令官の山形
勲、佐々木課長をゴーロン星人から操られる真山博士を演じた増田
順司にゴジラの山根博士こと志村喬ら特撮ヒーロー作品の顔なじみ
が揃っていたわけだ。

 

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