ウルトラマンメビウス38話・オーシャンの勇魚

　仮面ライダー555でカイザに変身する草加雅人を演じていた
村上幸平がゲストでGUYSオーシャンの勇魚隊長として登場。
　どうしても555における草加は頭はいいけど嫌味なヤツと
いうイメージだったが、今回は意外にいいヤツだった。
　これは555ではメイン脚本家の井上敏樹作品に必ず登場する
嫌味キャラを演じたわけだが、今回の脚本は正反対の作風の
太田愛さんだから草加キャラにはならないだろうと思っていた。
　劇中で勇魚が言う‘一期一会’のセリフは太田作品ではよく
出てくるが、太田さん自体が好きな言葉だろう。
勇魚がアライソ整備長の弟子だったという話やミライの正体が
バレないように気を使うGUYS隊員達という描写もなかなかだ。
　宇宙怪獣のアリゲラは超高速で飛ぶため着陸地点が分り辛く
海や湾岸の建物を飛行時の衝撃波で破壊していくシーンはラドン
以来の名シーンだ。さしものメビウスもスピードについて行けて
なかった。
　ただ勇魚とクルーGUYSの連携プレーに助けられて勝つメビウス
には‘1人で勝てないから情けない’というよりも、成長していく
戦士という設定だからこそ許容されるものがある。
　最初に勇魚から助けられたメビウスが、2度目にはしっかり勇魚
のピンチを救うシーンは燃えるものがある。それにしても勇魚が
GUYSオーシャンの隊長だったという事は薄々感じていたが最後まで
悟らせなかったのはニクイ！
　勇魚が最初からミライの正体を知っていたという洞察力には感
心させられたが、実はガンフェニックス同士の通信が傍受されて
いたというオチも見事だった。
　新年最初の話に相応しい爽やかな話だった。