対怪獣兵器について

 5年前に出た円道祥之氏の‘空想防衛読本’がかなり面白い。
 ここで自衛隊の戦闘機について「戦闘機ではラドンのような
飛行怪獣ならいいけどミステリアンの要塞のような物を攻撃す
るには向いてない」などという興味深い記述があった。
 考えてみれば戦闘機は空中戦でこそ威力を発揮するわけで、
動きのゆったりしたゴジラのような重量級の怪獣には向いては
いないだろう。
 実際の戦争では戦車隊を攻撃するのには戦闘機より対戦車ヘ
リが使われているようで、76年版キングコングでも今は無きワ
ールドトレードセンターのツインビルに登ったキングコングを
迎撃したのはヘリだったし、ハリウッド版ゴジラでもヘリが主
力だった。
 平成に入って‘ゴジラvsビオランテ’ではゴジラ迎撃にヘリ
が出てきたし‘ウルトラマンコスモス’の防衛軍も主力装備は
ヘリだった。
 つまり戦闘用ヘリコプターはゴジラのような重量級の怪獣相
手には最適の兵器のようだ。
 ところで円谷作品の防衛チームでのへリコプター兵器はMATの
MATジャイロがメジャーなぐらいで影が薄い。
 MATはモンスター・アタック・チームの略だから対怪獣のスペシ
ャルチームというのでMATジャイロが配備されているものと思っ
たら、MATジャイロはどちらかといえば偵察&運搬用で‘今日も
ジャイロでパトロール~’とMATチームの歌でも歌われている。
 確かに怪獣に絡むのにヘリよりは戦闘機の方が絵にはなる。
だからか‘ウルトラマンガイア’では防衛組織XIGのXIGファイタ
ーチームには空中浮遊できるリバルサ-リフトが付いておりヘリ
のように滞空して攻撃する事ができるようになっていた。
 一方怪獣映画の定番兵器である多連装砲だが、これは基本的に
広範囲に展開した部隊を攻撃するための兵器らしい。だから怪獣
のような固有の目標に使う事が難しい兵器のようだ。
 それをいうと戦車は怪獣に対して主砲が威力不足だし、怪獣が
発射する光線や火炎放射は戦車の弱点である上面の装甲を部分を
直撃するわけで対怪獣には使えない兵器になってしまう。
 つまりリアリズムに徹してしまうと特撮作品の定番はほぼ使え
なくなってしまうのだ。
 やはり特撮作品は空想モノだけにリアリズムに縛られすぎず、
少しぐらいはビジュアルに拘ったロマンがあっていいと思うのだ。
 
コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
ロマン賛成! (りょうころり)
2007-04-14 19:17:31
 たしかに怪獣映画等の特撮作品は、怪獣なんてものが出た時点でうその世界を描くわけで、怪獣やヒーロー以外の部分は、できるだけリアリズムにこだわった方がいいとは思うのです。しかしですね踏み潰されたり吹っ飛ぶ戦車は怪獣映画の中での『儀式』でありロマンだと私は思っております。
 
 
 
書き込み御礼&レス (こーじ)
2007-04-14 23:37:43
>りょうころり様
 そうなのですよ、ゴジラなどに熱線で解かされたり炎上したりするシーンは恐怖感を煽りますからね。
 円谷英二氏も「特撮にはロマンが必要だよ」と言ってました。
 
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