ルール変更は必ずしも日本にばかり不利ではない

 先日‘常ウソ’ネタの中で日本が勝つとルールが変わり、それが
原因で弱体化するという事を扱ったのだが果たしてルール変更は全
て日本に不利なのだろうかと考えた。

 ジャンプの場合は長身選手に有利なルール変更が導入された初年
度の98~99シーズンは日本がW杯国別対抗で1位になっているし、
翌シーズンから影響が出て勝てなくなったのだが170㎝以下のアダム
・マリッシュが総合優勝したりソルトレイクシティ五輪では171cmの
シモン・アマンがNH&LHの両種目で優勝している。

 またトリノの時にはルール変更で真っ先に低迷の憂き目に遭った
岡部孝信が日本のエース格に復活している。
 
 ノルディック複合もジャンプのアドバンテージが消えてジャンプで
大量リードをして逃げ切るという日本の勝ちパターンができなくなる
のだが、意外に知られてないのは荻原らが勝てなくなった相手はK点
ジャンプを確実に2本揃えるマリオ・シュテヒャーやサンパ・ラユネ
ン達だ。

 つまり92アルベールビル五輪まで複合のジャンプは3本飛んで
成績のいい2本をカウントしていたぐらいジャンプのレベルは低かっ
たのが、K点ジャンプを2本揃えないと勝てないぐらいジャンプの
レベルが上がったというのを忘れてはいけない。

 アスリートの魂で渡部暁斗を特集した時にルール変更の経緯の中で
‘ジャンプが複合をつまらなくしている’と日本の全盛時に北欧の新
聞が主張していた。

 複合の母国である北欧勢にしてみれば複合の醍醐味はクロスカント
リーの競り合いなのにジャンプの時点で決着が付いてしまうのは、
日本が柔道で一本を取りに行かず効果や有効のポイントを掠め取って
勝つのを嫌がるのと同じではないだろうか。
   
 実際に柔道では北京五輪後に効果が廃止され、しっかり組んで なる
べく一本で決着が付くようにルール変更がされている。

 ジャンプでいえばV字ジャンプが公認された92アルベールビル
から復活し始めたし、フィギュアスケートも88カルガリーを最後に
規定演技が廃止された直後の89年世界選手権で規定を苦手にしてい
た伊藤みどりが優勝しているのを考えるとマスゴミが常ウソとして
喧伝しているルール変更で日本が弱体化するというのは多少はあるだ
ろうが全てではない。

 そもそも日本人はルールを神聖にして侵すべからずという位置付け
にしているのに対して欧米諸国は時代に合わなくなったルールは変更
するのが当たり前という考えの違いがあるし、好き嫌いは別として
スポーツ界は欧米の価値観で運営されているからルール変更はつき
ものと考えるべきだろう。

コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
Unknown (Unknown)
2014-03-22 23:45:31
>>フィギュアスケートも88カルガリーを最後に規定演技が廃止された直後の89年世界選手権で規定を苦手にしていた伊藤みどりが優勝している

この文章は間違っているよ。
フィギュアのコンパルソリーが廃止されたのは1990年7月からだ。
伊藤が世界選手権で優勝した1989年当時はコンパルソリーの課題数が3から2に減ったのであり、コンパルソリー自体はまだあった。
それと、伊藤が優勝出来た背景は、コンパルソリーの比重が低くなったことだけでなく、カルガリー五輪のメダリスト3人が引退したことも大きかったよ。
 
 
 
ご指摘ありがとうございます (こーじ)
2014-03-23 22:55:36
>Unknown様
 規定廃止は90年からだったのですね、先ほど確認しました。

 ご指摘ありがとうございます。

 ただ日本人選手は一部を除いて規定は苦手と当時言われてましたから、こういう記載をしました。
 
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