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ミラーマンを総括すると

 40年前の11月にミラーマンが最終回を迎え、12月からロボットアニメの金字塔
であるマジンガーZの放映が始まる事になる。


 ミラーマンはウルトラとは違った世界を目指した野心作で制作に携わった円谷
一はウルトラ兄弟同様‘ミラーマン兄弟’という形でシリーズ化しようという構想が
あったようで、‘放映開始という1段目ロケットの切り離し、1年間放映という2段目
ロケットの切り離しまでは成功したが最後のシリーズ化という切り離しに失敗した’
というコメントも残していたらしい。


 ミラーマンの戦いをフォローするSGMが徐々にパワーアップしていくというウル
トラではできなかった事などの要素が散りばめられていたし、二次元人の父と
地球人の母の間に生まれた混血児という要素も当初は意識されていたみたい
だが8話で行方不明の母親の話が触れられただけで途中からは完全に忘れ去ら
れてしまったようだ。


 ただ時代はヒーローブーム真っ只中だったためウルトラよりもリアリズムを意識
した作品ゆえ、他のヒーロー達に比べてミラーマンは今ひとつ影の薄い存在に
なっていた。


 それを意識してかジャンボフェニックスの登場から一気に話が華やかになり登場
する敵もインベーダーが変身したキャラというよりも通常の宇宙怪獣がインベー
ダーに操られて地球やミラーマンを襲撃というパターンが増えたのだ。


 ただし最終クールには前半未使用だったEPが復活し1クール目のムードが復活
したわけで、3クール目を除いてミラーマン独自の世界は守られたのではないかと
思う。


 どうしても独自性を追求すると通常のヒット作品のセオリーから外れやすいので
ヒットする確率は低くなってしまうのに対し、他のヒット作品のセオリーを守ると他の
作品との差別化が難しくなってしまうジレンマがある。


 後に制作されたウルトラマンネクサスなどは好例でネクサスワールドの変更を
示唆されたにも拘らず頑なに守ったため放送短縮という憂き目には遭ったが、
独自の世界を描く事に成功しているのは確かだ。


 最終回の盛り上がりなどはジャンボフェニックス抜きでは成立しないのでジャンボ
フェニックス編を否定はできないが、例えばジャンボフェニックスに乗り込んで戦う
のが新たに加入したほかのメンバー達というように少しだけ捻れば分析チームと
いうSGM独自のムードを崩さずに済んだのかもしれない(その分 俳優を新たに
揃えないといけないので予算的なネックはあっただろうが)。


 とりあえず最後に登場した怪獣・デッドキングはインベーダーが合体変身した
タイプなので‘ミラーマンの敵はインベーダーが変身した怪獣体’という初期の
構想を意識した事は評価したいと思う。


 ちなみにミラーマンが終了した翌年の73年に同じ淡豊昭プロデューサーが担当
したジャンボーグAが始まったのだが、これこそミ ラーマンの世界を娯楽色
豊かにした作品という事だろう。

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