五十嵐、パンチ力に自信=WBCフライ級(時事通信) - goo ニュース
今年のボクシング界夏の陣は6月20日に井岡一翔vs八重樫東のミニマム級
王座統一戦から始まり7月8日には3月にタイトル奪取したWBC:Sフライ級
王者の佐藤洋太が強打の1位:シルベスター・ロペスに快勝、そしてトリを飾る
のが明後日の16日に春日部で行われるWBA:Sフェザー級王者・内山高志
5度目の防衛戦とアテネ五輪代表で指名挑戦者決定戦に勝ち満を持してWBC
フライ級王者ソニーボーイ・ハロに挑む五十嵐俊幸のダブルタイトルマッチである。
昨年の大晦日に暫定王者のホルヘ・ソリスを失神KOした内山が6位のマイ
ケル・ファレナス相手に世界戦全KO勝ちとなる6連続KO勝利なるか?が焦点
ではあるが、個人的には もう1つの世界戦WBCフライ級タイトルマッチが非常
に興味をそそられる。
王者のソニーボーイ・ハロは今年3月にタイの名王者ポンサクレックを6RでKO
してタイトルを奪取した34勝24KOの強打者で、ビルドアップされた体から放つ
強打は脅威だ。
もっとも強打を生み出すビルドアップされた体は減量苦という負の側面を持って
いて昨年2月に来日した時に体重超過で試合を行い向井寛史に判定負けして
1年間招聘禁止になっているし、8日に佐藤洋太に挑んだシルベスター・ロペスも
強打を警戒されていたが減量苦からか3度目の計量で ようやくパスして戦った
ものの佐藤の変幻自在のテクニックに翻弄されて完敗だった。
一方の挑戦者・五十嵐俊幸は8年前のアテネ五輪では日本人唯一の出場者で
05年にプロ入りし、日本タイトルからスタートさせる帝拳特有の堅実路線で09年
に日本王者になって1度防衛し昨年11月に行われた挑戦者決定戦で世界2位の
ウィルベルト・ウィカブに3-0の判定勝ちして1位に上がり満を持しての挑戦となる。
挑戦者決定戦で勝った時点での王者はポンサクレックだったがターゲットが
ハロになったのも幸運だったかもしれない。
たしかにハロの強打は脅威だが むしろポンサクレックのキャリアからの引き
出しの多さには内藤大助を除いてこれまで日本人選手は痛い目に遭わされてきた。
それに対してハロは噂される減量苦の不安が付きまとうし五輪代表になった五十
嵐のテクニックとスピードがハロの強打を いなして的確なパンチを叩き込み、ポイ
ントをピックアップさせていく展開になる可能性が高いのではないかと考える。
最近は井岡一翔が7戦目に戴冠して最短キャリア奪取の記録を破るためにアマ
チュア5冠の井上尚弥が6戦目での世界奪取といった更なる最短キャリア奪取
記録を推奨するムードが高まっているが、世界タイトルは奪取するよりも しっかり
と防衛していく事が更に難しく8戦目でタイトル奪取した名城信男が以後苦しんで
いるように本来なら世界を取る前に積まないといけないキャリアをすっ飛ばしての
世界挑戦というのは決して いいものではない。
それを考えると西岡利晃や粟生隆寛などが所属する帝拳ジムは じっくりとキャ
リアを積んで日本or東洋太平洋タイトルを取ってから挑戦するスタイルだから
好感を持てるので、何としても五十嵐には正統派のキャリアで世界タイトルを
掴んでほしいものだ。