怪奇大作戦セカンドファイル・人喰い樹

 怪奇大作戦・セカンドファイルのファイル3はいよいよ最終
EPだ。
 さおりが休暇を利用して友人と里深原市に温泉旅行に行った
先で悲劇が起こる。
 友人が浴槽の中で体の不調を訴えて出た後に咳き込んで体を
掻き体中の血管が浮き出て緑色に体が変色、恐怖の絶叫と共に
息絶えてしまう。
 解剖の結果体内からは赤血球が全て損失し、遺体内部からは
植物の根の様なものが検出された。
 しかも同様の事件が続発したのでSRIが捜査に乗り出すのだが
事件の裏には、里深原市でのバブル全盛期の開発が元で起きた
ある青年の悲劇があった。
 そして牧は植物分子生物学の黒崎博士を訪ね意見を聞くが、
驚く事に被害者の体から検出された植物の根に見えたものは人間
の血管が変異したものらしい。
 その後の調べで被害者は全員花粉症を患っており死ぬ数日前に
里深原市を訪れているのが分った。
 
 という入りなのだがオリジナルの‘美女と花粉’を髣髴させる
EPでキーワードは花粉だ。
 自然開発に反対し自殺した男の怨念と、その男の婚約者だった
黒崎博士が男の研究中だった動物と植物が一体化する理論を実践
しようとする元が花粉になるわけだ。
 男が守ろうとして首を吊った杉から多くの花粉が飛散していた
のだが、その花粉は血管を根に変え、赤血球を餌に自己増殖して
いく恐るべきものだった。
 木村多江演じる黒崎博士は‘美女と花粉’の犯人・大山伸子を
意識しているようなタイプ。
 ラストに落雷で花粉を出す元凶でもあり黒崎博士らの思い出で
ある杉が博士もろとも燃え上がるシーンは‘呪いの壺’のラスト
で犯人の日野統三が硫斗物質を飛散させ寺を燃え上がらせるシー
ンを思い出した。いずれも石堂淑朗の作品だが。
 オリジナルのパターンである‘不条理に泣かされた被害者が、
復讐のために科学を悪用して事件を起こし最後は自ら命を絶つ’
という王道パターンだった。
 オリジナルの怪奇大作戦は最終回ならではのエピソードはなく
現在まで続いていたという設定だから、ある意味こういう続編が
できてもおかしくない。
 ただこの王道パターンはカラッとしてないので、視聴率的には
厳しいものがあるだろう。恐らく視聴率至上主義が露骨な現代で
はこういうドラマは民放地上波では無理かもしれない。
 だからこそ国営放送にはこういった名作の続編をどんどん作っ
ていって貰いたいものだ。

 
 
コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
Unknown (まみ)
2007-05-04 06:54:37
ふむふむなるほど、ドロッとしてますね;
こういうラストは、ノイズが入りそうなオリジナル時代の昔風の映像には寒々しくマッチして、緊迫感や絶望感をひしひしと感じるのですけどねぇ…
 
 
 
たしかに (こーじ)
2007-05-04 22:27:45
>まみ様
 なにせファイル3の監督は‘リング’の中田秀夫ですし
ファイル1の監督は‘呪怨’の清水崇ですからそういう映像が様になってますよ。
 怪奇大作戦の魅力はこういうドロッとして絶望感があるところですね。
 
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