平成ゴジラシリーズを一旦幕を閉じる形で終わらせたのが95年
公開のゴジラVSデストロイアで、オキシジェンデストロイヤーの
影響で誕生した怪獣デストロイアが登場する作品だ。
もともと地球に酸素がなかった時代に生息していたとされ古代の
地層で眠っていたのを芹沢博士がゴジラを倒すために使用したオキ
シジェンデストロイヤーが、無酸素状態を作ったために復活したと
いう背景を持っているのが特徴である。
この作品には54ゴジラゆかりのキャラとして山根恭平博士の娘・
山根恵美子が登場し、41年前同様に河内桃子が演じていたのが特徴
で当時の映像も流れるため平田昭彦演じる芹沢博士の映像も出て来
るのが嬉しい。
ただし54ゴジラのラストでオキシジェンデストロイヤーでゴジラ
を葬ると同時に自らも命を絶った芹沢博士が最後の通信で‘尾形、
恵美子さん幸福に暮らせ’と言っていたにも拘わらず、デストロイ
アでは独身で通していたという事実が判明する。
つまりVSデストロイアに登場する山根ゆかり&健吉姉弟は54ゴジ
ラに出ていた大戸島で被災して山根家に引き取られた新吉が、事件
後に山根家の養子となっていたとの事。
とりあえずゴジラを終わらせるのにオキシジェンデストロイヤー
の化身ともいうべきデストロイアを登場させるなら芹沢博士ゆかり
の山根家を登場させるのは当然だろうが、新吉が山根家の養子とい
う形で子供まで作っているのを考えると恵美子まで出演させるのは
どうなのかと今では思う。
製作サイドは第1作のヒロイン・河内桃子の出演ありきだったの
だろうが、芹沢の願いは恵美子と尾形の幸せを祈るものだったわけ
だから結婚せずに独身を通して今に至るというのは少し残念では
ある。