オリジナリティを発揮しづらかった第2期怪獣ブーム  

 先日久しぶりにミラーマンネタを扱い‘ミラーマンの放送開始が
1年早ければ独自性を更に出せたのに’という記事を書いた。

 ご存知のようにミラーマンは72年12月に鳴り物入りで放送開始
されたわけだが、この頃は既に第2期怪獣ブームの最中で実際に土
曜日など20:00からにも拘わらず人造人間キカイダーとデビルマ
ンという特撮ヒーローものとアニメがOAされていたのだ。

 当然そうなると視聴率争いに巻き込まれるわけで一般受けする
ためには独自性よりも万民に受ける内容に変更されがちになり、
実際ミラーマンもシルバー仮面やアイアンキングといった裏番組
との視聴率争いに巻き込まれて行くため当初の設定が変わったわ
けである。 

 個人的にお気に入りだったのが円谷作品には珍しい単独の敵を
相手に戦う展開だし当初は侵略者・インベーダーが地上の怪現象
に見せかけた破壊工作を行っていた事から、防衛チームSGMの任
務はインベーダーの破壊工作を看破するというのが多かった。

 SBMは怪奇大作戦のSRI的な存在だったので当然ながら武装はな
く、敵の陰謀を看破すると航空防衛隊などに連絡を取り迎撃して
もらうというスタンスだったのだ。

 そしてクライマックスでは暗躍しているインベーダーが怪獣的
な正体を現しミラーマンとの格闘になるというのが定番のターン
になっていたのだが、2クール目以降はインベーダーが宇宙怪獣
を地球に連れて来て破壊工作やミラーマンと戦わせるという形に
なってしまった。

 つまり先述した独自性は他の番組に比べると地味なため一般受
けする怪獣との対決や、SGMも3機分離合体の大型戦闘機ジャンボ
フェニックスを投入するのも全てテコ入れという形になるだろう。

 もっとも裏番組のシルバー仮面はミラーマン以上に当初は独自設
定で製作されていたが、視聴率でミラーマンに劣るため2クール目
からはジャイアント編という形でシルバー仮面が巨大化し宇宙怪獣
と戦うようになっていた。

 当初の独自路線ならば同一個体がいるのでアイアン・キティファ
イヤー・ダークロン・マルチにゴールドサタンといった敵キャラが
何度も登場するし、オリジナルの戦闘機も登場しないので予算的に
も助かると思われたのだが子供達の反応は鈍かったようだ。

 これが1年早ければ帰ってきたウルトラマンや仮面ライダーも始
まっておらず、こういったミラーマンのような独特な世界を描いた
作品も当初の予定通りに製作できたのではないかと思ったりする。

 

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