‘西鉄の遺伝子’健在なり

 昨日4年ぶりの日本一に輝いたライオンズのシリーズの戦いぶりを
見て感じたのが‘西鉄の遺伝子健在なり’だ。
 4年前のシリーズ同様ホームで王手をかけられて敵地で連勝して
決めているが、敵地で連勝しての優勝は86年や昭和33年にもあるので
ライオンズとしてはある意味お手のもの。 

 デーブ大久保コーチを中心に若い選手達が、いかにも楽しげにプレーし
明るい雰囲気を醸し出していたのが印象深い。
 投手陣も岸がG4で150球近く投げて完封したにも拘わらず中2日で
G6に登板し91球投げて勝ち投手になっている。

 ただし監督の渡辺久信も86年に1分3敗から4連勝して逆転した広島
とのシリーズでリリーフで3試合登板した後に中2日で先発し中1日空けて
リリーフした経験がある。
 こういう起用法は短期決戦ならではのもので分業制が定着している
近代野球では珍しいが、選手達のモチベーションをアップさせ臨戦
ムードを醸し出すには最適だ。

  ご存知のようにライオンズは、かつて福岡の平和台球場を本拠地に
して昭和30年代に全盛を誇っていた。
 ちょうど30年前の78年に西武グループに身売りして所沢に本拠地を
移転し、九州からプロ野球チームがなくなるという異常事態になった。

 オーナーの堤義明は九州時代のライオンズとの歴史を断絶させる
ような措置をとっていたし、地元・埼玉との距離も置くスタンスを取って
いた。
 これは一応‘ジャイアンツに代わって全国区のファン獲得を目指す’と
いう建前だったが、何のことはない首都圏のファンに西武鉄道を利用
させるためには地元と結びつきが希薄な方が都合がいいと思っていたと
しか言いようがない。

 そういった堤イズムが広岡達朗や森祗晶、伊原春樹といった勝負強い
けど試合ぶりは面白味がなくムードも暗いというマイナスイメージが付き
まとい昔のライオンズとは正反対のチームカラーになっていた。

 ところが堤義明が失脚し、今年から遂に埼玉西武ライオンズと名乗って
新体制になるだけでなく‘ライオンズクラシック’と称して旧西鉄ライオン
ズを意識したイベントを催したりしてから いわゆる西鉄の遺伝子が目覚
めたような気がしてならない。

  東京ドームのレフトスタンドに西鉄のレプリカユニフォームを着た
ファンがいるのを見て九州人として妙に嬉しかったのだ。

 やはり野球は明るく楽しくないと

人気は出ないだろう。  

コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
手負いの獅子の逆襲 (ぼっけもん)
2008-11-10 23:19:04
ライオンズは、闘争心あふれる捨て身の戦いが勝利を呼び込みましたね。片岡の捨て身のデッドボールに越智は内角にストレートを投げれなくなり、平尾に球種を完全に読みきられてしまいましたね。それにしても久しぶりに興奮した日本シリーズでした。このような試合をしていけば、プロ野球もまた盛り上がっていくと思います。
 
 
 
そうですね (こーじ)
2008-11-11 23:46:46
>ぼっけもん様
 これぞ勝利への執念というヤツでしょう。
 ジャイアンツの選手になかったのが、この‘当たってでも出塁する’という捨て身の姿勢ですね。
 G4以外は、どっちが勝つか分からないという展開が
盛り上がった理由でしょう。
 
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