ソフトバンク・柳田 45発へ「3番」熱望
ホークスの柳田悠岐がキャンプイン前に今シーズンの目標である
45HRを達成するために3番を希望しているという記事があった。
柳田が言うには‘初回に打順が必ず回って来るし1打席目は大事
で、入り方は色々やって3番がやりやすい’との事で、実際にトリ
プル3を達成した15年の打順は3番だった事から相性もいいようだ。
ちなみに柳田が日本代表では2番を希望するなど4番に対する拘り
よりも、自分のバッティングができる打順を希望しているように見
えるのだ。
柳田は日本人選手でも有数の長打力を誇る打者だが、こういった
選手を最強打者として‘理想的な4番打者’と表現する傾向が強い。
これは以前から日本野球の打順を組むセオリーとして4番をチーム
一の強打者という位置付けにしており、強打者=ホームランを打てる
打者という事から4番にはホームランを多く打つ打者を起用したがり
4番をチームの顔として聖域視するケースが多い。
ところがMLBではホームランを打つ打者は3番が多いだけでなく、
最近は2番に据えるケースまで出てきた。
考えてみればホームランを多く打とうすれば打率は下がりがちで、
ここ一番でのタイムリーなどが要求されるとホームラン数は減る傾
向になるのは当然だ。
実際に現役時代に868本のホームランを放った王貞治は3番での
ホームラン数が多いし、長嶋茂雄が松井秀喜が入団した時に‘王の
通算HR数を越えるのでは?’という期待に対し‘4番は三冠王を取
れる打者でなければ’と4番はホームランのスペシャリストではな
い事を示していた。
また柳田と同じタイプだったライオンズやホークスの秋山幸二も
現役時代は3番を打つケースが多かったし、清原和博が4番を打って
いた事もあるが秋山の4番待望論は起きなかったと思うのだ。
面白いのが柳田が4番に座ると打率は高い一方でホームラン数が
減っているわけで、どうしても4番だとチームの勝利のために常に
ホームランを狙うのは難しいという事になるのではないか。
思えば柳田が3番を打っていた15年は内川聖一が4番に座ってい
たのに対し、昨年などは内川やアルフレッド・デスパイネが不調に
陥った事から4番に座らざるを得なくなったともいえる。
だから柳田が今シーズン3番を打つにはデスパイネらの復調が必
須になるという事だろうし、柳田が3番に座って45本以上のHRを打
てば昨年悩まされリーグ優勝を逃す原因となった得点力不足からも
解放されると思うのだ。