巡り合わせの怖さを実感した佐賀北の優勝

 BS‐1でOAされた高校野球の名勝負集の1つに、07年夏の決勝・
佐賀北ー広陵戦があった。

 0-4とリードされた佐賀北が8回裏に1アウトから連打と四球で
1アウト満塁から押し出しで1点返した後に3番・副島の逆転満塁
HRが出て5-4で逆転勝ちし優勝した試合だが、今でもネットなど
では押し出しになった2球ばかりストライクをボールと判定されて
いたので批判的に言われる試合ではあるが正直言って本来ならば
5・6点差が付いていてもおかしくない展開だったのが4点で止まっ
ていたのが悔やまれると思う。

 それと個人的に巡り合わせや流れ的が佐賀北に味方したのでは
ないかと思うのだ。

 勝負事としては実力に劣っても相性の良さで勝ったり、巡り合
わせで明暗が分かれる事がが度々見られる。

 先日扱った96夏決勝の松山商奇跡のバックホームも、熊本勢の
四国勢に対する相性の悪さがあり例のバックホームでサヨナラが
ならなかった時点で‘やはり相性の悪さが出た’と実感した次第。

 また92夏に西日本短大付が拓大紅陵に1-0で勝って優勝した時
も西短が3塁側で後攻だった時点で、65夏の決勝が同じく優勝した
三池工が3塁側の後攻だったのを思い出し西短の勝利を予感して
いたのだ。

 今回の佐賀北ー広陵も広陵は夏の優勝がなく前回の準優勝が40
年前の67年、その前も更に40年前の27年で実は67年の決勝の相手
は開幕戦に勝った習志野だった事、

 一方で佐賀県勢で前回開幕戦を勝ったのが94年の佐賀商だった
わけだし、この時に決勝では格上の樟南相手に2度リードされた
のを追い付き9回表に決勝満塁HRで8-4で勝って優勝している。

 つまり広陵にとって巡り合わせ的に悪く、佐賀北にはよかった
というもの。

 とはいえ67年の広陵は3塁側の後攻だったし94年の佐賀賞は1塁
側の先攻だったのに対し、‘今回は共に逆だった事から7回表に甲
子園に来て無失点だった久保から追加点の2点を取り4-0となった
時点で‘ジンクスは関係ないか’と思っていたら‘まさか’の逆転満塁
HRだったのだから巡り合わせ的にも凄い。

 更に広陵は準決勝で最大のヤマ場と見られた選抜優勝の常葉菊
川に4-0から終盤追い上げられたものの4-3で逃げ切っており、
決勝も常葉菊川より地力的に劣る佐賀北相手に4-0とリードした
事から気持ち的に安心感が出たのではないか。

 一方の佐賀北にしてみると準々決勝で優勝候補の帝京にサヨナ
ラ勝ちして波に乗っていただけでなく、常葉菊川よりも広陵の方
が戦いやすかったのではと思う。

 菊川は田中・戸狩という2人のサウスポーを擁し基本的に後攻系
で決勝戦の舞台も選抜で経験済みなのに対して、広陵は先攻系で控
え投手の登板はある物の勝負どころでは野村に託すスタイルだった
し準決勝では野村が終盤追い上げられている事から僅差で付いて
行ければという希望はあっただろう。

 こういった面でも佐賀北には最高の巡り合わせだったと思って
しまうのだ。

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