貴景勝が大関復帰成功した もう1つの意義

 今年の夏場所に右膝を負傷して2場所連続休場し、大関から陥落
していた貴景勝が昨日12日目に妙義龍を突き落として破って10勝
目を挙げ来場所の大関復帰が決まった。

 初日から5連勝したものの6日目に遠藤に敗れると7日目にも千代
大龍にはたき込まれて連敗し暗雲が立ち込め始めたのだが、8日目
に膝負傷の相手となった御嶽海に勝ってから再び加速し12日目に
して10勝目を挙げた事になる。

 これで大関復帰を決めたどころか2敗というのは優勝争いでも単
独トップに立つ事になり、今場所は両横綱が不在で大関陣も最高で
豪栄道の4敗が最高という状況からすると2度目の優勝も現実味を
帯びて来た。

 仮に貴景勝が優勝できなくても今場所の成績を見ると、いい前例
を残せる事になるだろう。

 というのも最大のポイントとして挙げられるのが先場所全休して
の大関陥落で、当初は貴景勝自身も強行出場を希望していたものの
千賀ノ浦親方の説得で全休し10勝挙げれば大関復帰となる今場所に
かけた事にある。

 先場所強行出場していれば何とか8勝して大関に残留できた可能
性はあるが、膝のケガの回復具合からすれば更なるダメージを負い
持病のようになって本来横綱を狙えたのにカド番を繰り返すように
なる可能性は十分あった。

‘土俵のケガは土俵で治す’というのは角界の格言だし大関ともな
ると看板力士という事で簡単に休場というわけにもいかないので
ケガを抱えながら強行出場する力士は多いのだが、その代償とし
てケガが慢性化し低迷した力士は数知れないわけで特に一時は横
綱間違いなしといわれていた現在幕下まで落ちている照ノ富士な
ど元横綱・北の富士は‘悪ければじっくり休めばよかったのに’と
残念がっている。

 やはり力士は休むと番付が下がるので休むのを嫌がるわけだが
勇気を持って休んで完治に至らなくても回復させていいコンディ
ションを作れれば、こういったいい結果に結び付くという前例が
できた事で他の力士もケガの回復を優先させる事になるだろう。

 以前のファンはケガを圧して頑張る姿に感動を覚えていただろ
うが、逆に言えばケガでボロボロの状態で土俵に上がるというの
はまともなパフォーマンスをできないのだからファンにも失礼な
話だし最近の心あるファンもそれは望んでない。

 昨日解説していた舞の海秀平氏も‘先場所休場してよかった’と
一番に言っていたように、こういった流れが今回の貴景勝の活躍
によって加速するのではないかと思うのだ。

 

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