具志堅氏が殿堂入り=故大場氏も栄誉―ボクシング(時事通信) - goo ニュース
元WBA:Jフライ級王者で連続13回の防衛に成功していた具志堅
用高が、先日ボクシングの殿堂入りを果たしたというニュースが
載っていた。
日本人ボクサーではファイティング原田に続いて2人目の受賞と
いう快挙ではあるが、中には‘なぜ具志堅?’という声もあった。
というのも具志堅が所持していたWBA:Jフライ級タイトルは75年
8月に新設されたばかりの階級で、当然レベルも決して高くは
なかったし防衛回数も張正九や柳明佑ら韓国勢から15回&17回
と上回られている。
にも拘らず具志堅も選出されたのは彼のスタイルがサウスポー
スタイルを進化させたという事ではないだろうか。
ジョー小泉氏の著書によればクラシカルなサウスポーは基本的に
カウンターパンチャーで、相手が出て来るところに右フックを引っ
かけ左ストレートを打ち込むというのが基本パターンだったらしい。
そんな中で具志堅の先輩である海老原博幸はサウスポーとしては
右ジャブを効果的に使ったらしいのだが、具志堅はそれを受け継ぎ
自ら仕掛ける攻撃的なスタイルを確立したのではないか。
実際リアルタイムで見ていた我々が覚えているのは具志堅は常に
攻撃的で前半から相手のボディを叩いてスタミナを消耗させながら
ガードを下げさせていき、中盤以降に圧倒的な連打で仕留めるとい
うパターンだった。
もっともアグレッシブな戦いぶりは当然ながらガードが低くなり
前半はボディ打ちに拘るので、相手のジャブを貰って目の周りが腫
れ上がる事が多々あったのだが これがあったからこそ国内では未だ
破られてない6連続KO防衛を果たしたのだろうと思う。
そして具志堅が作り上げた攻撃的なサウスポースタイルを攻防
兼備の万能型に更にレベルアップさせたのが元統一ミドル級王者
‘マーベラス’マービン・ハグラーという事だろう。
日本のスポーツはバレーボールで回転レシーブやクイックに時間
差&移動攻撃、ラグビーでもフルバックのライン参加やショートラ
インアウトなど独自の戦法を編み出して世界相手に戦ってきた事か
ら尊敬の目で見られる事が多いのだが具志堅もサウスポーという
ジャンルを1ランクレベルアップさせた事が殿堂入りにつながった
のではないだろうか。