今から40年前の今頃 昭和ゴジラの最終作ともいえるメカゴジラの
逆襲が公開され、これを最後に84年のゴジラまでゴジラシリーズは
9年の眠りに就く事になる。
前年ゴジラ生誕20周年作品として製作されたゴジラ対メカゴジラ
の正式な続編という形で、前作が物語のカギを握るキングシーサーの
像を巡るブラックホール第3惑星人との攻防戦をテーマにした福田
純監督得意のB級アクション映画的な作りとは対照的なマッドサイ
エンティストとサイボーグ少女の悲劇をテーマにした作りだった。
キングシーサーがメカゴジラに対し大した脅威ではなかったのは
メカゴジラの逆襲のOPで前回の戦いが再現されるシーンでキング
シーサーが登場しなくても成立するのに対し、今回登場するチタノ
ザウルスこそ物語の主軸で むしろゴジラとチタノザウルスの戦いに
メカゴジラが割り込むという感じなのだ。
マッドサイエンティストの真船博士と、その娘でサイボーグ少女・
桂の人類への復讐心がチタノザウルスとメカゴジラをコントロール
してゴジラと戦うという展開になる。
そして決着を付けたのはサイボーグながら桂が一ノ瀬を想う心で、
自らの体を撃ち抜いてメカゴジラとチタノザウルスの侵攻を止める
というもの。
これは怪獣達が人類と侵略者の駒という形だった怪獣大戦争や、
怪獣総進撃の流れを汲むものだ。
それを考えると いかにも本多猪四郎監督作品らしいし伊福部昭の
BGMとも見事にマッチする反面、子供向けの東宝チャンピオン祭り
には厳しい内容だろう。
この作品を最後に本多猪四郎監督は黒澤明のサポートに回り真船
博士を演じた平田昭彦も84ゴジラを待つ事なく死去したので、この
作品が2人がコンビを組んだ最後の作品となったわけである。