ミラーマン8話：鋼鉄竜アイアンの大逆襲

　サブタイトルが鋼鉄竜アイアンの大逆襲だし予告編を見た限りではアイアンと
SGM&ミラーマンのスペクタクルな一大攻防戦が見られるのかと期待したのに
対し、京太郎が失踪した母・優子に対する拘りや思いをインベーダーから利用
されるという重い内容だったので困惑した覚えがあるEPだ。

　あと1週間で完成予定の竜ヶ岬宇宙ミサイル基地の攻防戦と京太郎の母に
対する葛藤が平行して描かれている。

　竜ヶ岬宇宙ミサイル基地がインベーダーの宇宙船の襲撃を受け被害は最小限
に食い止めたものの再び攻撃を仕掛けてくるのは必至の状況の中、失踪中の
母・優子が助けを求める夢を見た京太郎はテレパシーでインベーダーから部屋の
鏡を見るように言われ囚われて苦しむ母の姿を見る。

　母の助けを求める叫び声に導かれるように とある廃屋に入っていったのだが
突如 床が開いて地下室に閉じ込められる。

　部屋の片隅に母の姿を見つけたのも束の間それは幻で実はインベーダーも母
の所在をつかめてなかったが、この部屋には変身するための光も器具もない
だけでなく壁にはミサイル基地を襲撃するアイアンの姿が映っていた。

　京太郎を処刑するべくナイフを持ったインベーダーが襲撃するが京太郎は撃退。
　
　後悔の念に苛まれる京太郎が流した涙がナイフに落ちて光るのを見て変身
すると鏡の世界を通って竜ヶ岬に現れた。

　激戦の末ミラーマンはアイアンを倒して最も重要だった電子コントロール室は
守られたのだった。

　寝汗をかきながら母の助けを求める夢を見て朝子から起こされるものの朝子を
母と間違えたり、朝子がオカリナで‘かあさんの歌’を吹いたり御手洗博士から
‘母親に会いたいか？’と尋ねられて反発するなど、このEPではアイアンとの戦い
よりも自分を捨てて姿を消した母への京太郎の思いが強調されている。

　ノンマルトの使者を髣髴させるオカリナの音が母を思う京太郎の心情を象徴
していたし事件が解決してもカタルシスなく佇む京太郎に対し、既に母を亡くして
いる朝子が‘あなたには お母さんを探す事ができる。でも あたしの母はもう
この世には・・・’で締めるのが印象的だ。

　ただ残念だったのが6話が亡き父に対する葛藤が出る父子モノで1話を挟んで
今回の母子モノというのも少し興ざめだし、7話も京太郎の友人・岡山俊夫の母子
モノというパターンで親子モノが3話続くのだから せめて7話でアンヌ隊員の菱見
百合子を岡山俊夫の婚約者・小夜子として起用しているのだから ここぐらい恋人
の呼びかけに救われるようにして欲しかった感じだ。