タイガーマスクWを見ていて驚いたのは主役である東ナオトを
鍛え上げる高岡拳太郎の声を演じているのがオリジナル版同様、
田中亮一だという事。
田中亮一といえば我々の世代では高岡拳太郎以外では何と言っ
てもデビルマン=不動明の声を演じていたイメージが強く、若く
野心家というイメージがあるのだが今回45年ぶりに復活した高岡
拳太郎の声を演じてくれているのは嬉しいものがある。
前作との継続性を示す時に大事なのは前作に登場したキャラが
何らかの形で年齢を重ねて登場するのが最も効果的だし、これは
スター・ウォーズのEP7フォースの覚醒にハン・ソロやレイア姫
がハリソン・フォード&キャリー・フィッシャーが演じて登場す
る事で観客が喜んだように必要不可欠だ。
また銀河帝国皇帝=パルパティーンをイアン・マクダーミドが、
EP6ジェダイの帰還から始まりEP1~3のアナキン・スカイウォー
カー編まで一貫して演じてくれていたのも嬉しい事だった。
一方で声優もザラブ星人の声を青野武が最初のウルトラマンから
大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIEまで演じたり、メフィ
ラス星人の声を加藤精三がウルトラマン以外でも演じたりするのが
ファンへのささやかなプレゼントだと思うしキャラへの愛があると
思うのだ。
タイガーマスクのようなスポ根作品では師匠系のキャラが必要で
オリジナルではジャイアント馬場、二世ではアントニオ猪木が演じ
ていたのだが馬場は既にこの世になく猪木も師匠役には年齢的に
厳しいものがある。
そこでオリジナル版の最終回に伊達直人からタイガーマスクの
タイガー・ザ・グレートとの試合でボロボロになったマスクを託
された高岡拳太郎というキャラが生きてくるし、45年経った現在
拳太郎自体も初老の年齢設定で登場しているのだから当然ながら
田中氏が歳を取った声で演じても むしろ自然なのだ。
一方で3話の段階ではミスターXも登場しただけでなくオリジナル
の柴田秀勝が演じているのだから、今から高岡拳太郎との顔合わせが
楽しみである。