福岡国際マラソンを見て思う事

 今日行われた60回記念の福岡国際マラソンはアテネの1万m
金メダリストで今シーズン世界最高を記録したハイレ・ゲブレ
シラシエが2時間6分台をたたき出して圧勝し、連覇を狙った
ウクライナのドミトロ・バラノフスキーが足をつらせながらも
2位に入り3位は03,05年の世界選手権金メダリストのジャウア
ド・ガリブで日本人最高は奥谷亘の4位だった。
 期待された05世界選手権銅メダリストの尾方剛が6位、大会
レコードを持っていた藤田敦史は8位に終った。
 途中から外国勢のトップ3が抜け出すと日本人はついて行け
ない、途中バラノフスキーが足をつらせる仕草を見せていたの
で徐々に脱落し奥谷が追い上げて3位に入れるかと思われたが
予想は外れた。
 トップ3から大きく離された奥谷のタイムが2:08:49で自己
ベストだった事を考えると奥谷は大健闘となるのだが改めて世界
レベルとの差をまざまざと見せ付けられた。
 結局日本人選手と今回のトップ3との違いはトラック種目並みの
駆け引き、スピードのアップダウンによる揺さぶりについて行ける
かどうかだ。
 例えば最近は賞金レース全盛だから、コース自体はフラットで
記録が出やすくなっている。そうなるとトラックレースのような
展開のレースが増えるのだ、つまり1万mを4本走るようなイメージ
になる。昨今の世界のトップランナーはトラック上がりが多いのも
こういう理由だろう。
 マラソンはイーブンペースを守るのが基本だがトラックレースは
力のあるランナーがインターバルのようなペースのアップダウンを
するため自分のペースを壊されて脱落する選手が続出する。レースの
駆け引きがかなり重要な要素になるのだ。
 ところが残念ながら日本は駅伝には熱心だが5千や1万mのトラック
レースは不人気だ。企業も選手個人が目立つマラソンより企業名の
宣伝になる駅伝に力を入れるケースが多い。
 駅伝上がりの選手が大成しなくなっているのは箱根駅伝のスーパー
スターだった渡辺康幸がマラソンで通用せずに引退したのが象徴的だ。
 だからこそ日本の男子マラソンの復活には1万mなどのトラック強化
と海外の賞金レースにどんどん出場させる事が絶対条件だろう。
 そうしないと日本の男子マラソンは世界レベルから置いてきぼりを
喰うのは火を見るより明らかだ。
 高橋尚子や野口みずきが駅伝を走っているだろうか?
 
 
コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
男子は厳しいですね。 (さくらい)
2006-12-04 18:15:17
残念ながら勤務明けで寝てしまい、殆ど見れませんでした。女子に比べ本当に寂しい状況ですね。
ラグビーはばっちり観戦できましたが、結果は始めから期待はしていませんでしたが。もう少し頑張れるかと思っていました。正直、大東、大体大とは?何とか正月まで楽しみを残してくれよ、頼む。
 
 
 
書き込み御礼&レス (こーじ)
2006-12-04 23:13:34
>さくらい様
 世界的にまだプロ化が浸透していない女子はトップですが男子は完全にプロ化してますから厳しいですよ。
 20㌔ぐらい走ればいい駅伝に血眼を上げていれば当然の結果ですが。
 明治は前半終了間際など、もう少しスクラムに拘ればよかったのかもしれませんね。飛ばしパスをインターセプトしたのが前半ならまだ面白かったでしょうが。
 
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